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家を長持ちさせるために必要な3つのこと:外壁の塗料、外壁のシーリング材、屋根のルーフィング材




家を長持ちさせたい!
メンテナンス費用を抑えたい!

家は建てた後も、良い家であり続けるためにはメンテナンスが重要です。
屋根材を考えたり、壁材を考えたり、いろいろなことを検討されるかと思いますが、実はここに盲点があります。

今回は、家を長持ちさせるために必要な3つのことについて解説します。

家を建てる際に考えるべき最も重要なことの一つは、どうすれば家を長持ちさせられるかということです。
家を守るための秘訣は、実はとてもシンプルでありながら驚くほど効果的です。ここでは、家を長持ちさせるために欠かせない3つの要素、外壁の塗料、外壁のシーリング材、そして屋根のルーフィング材についてご紹介します。

家の打ち合わせ段階または、定期メンテナンス時でなければ使えませんので、ぜひ、家の設計打ち合わせの際にお話してみてくださいね。

1. 外壁の塗料

外壁材については、窯業系サイディング、ガルバリウムなど、メンテナンスを含めてこだわりますよね。

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コストの違い、メンテナンス期間を検討して選ばれるかと思います。
どのような外壁も、紫外線を浴びる以上、定期的なメンテナンスが必要です。
そのメンテナンスとは「塗料」です。
塗料でコーティングされているからこそ、雨漏りから家を守ってくれます。
吹付け壁や窯業系サイディングで「チョーキング」と言われる現象が起こります。
これは塗料が劣化したために起こる現象です。
この現象が起こると、壁からの雨の侵入を防ぐことができなくなり、家を傷めます。
そのため、定期的な外壁塗装によるメンテナンスが必要となってくるのですよね。

塗料には、様々な種類と特徴があります。

アクリル塗料:耐用年数は5~8年と短めです。価格が安く、発色が良い塗料ですが、耐用年数が短いために、今はあまり使われていないそうです。アクリル100%塗料は値段がかなり高くなりますが、耐用年数が13~15年と長くなります。
ウレタン塗料:耐用年数は5~10年。塗る場所を選ばなく、価格が安い、バランスの良い塗料です。
シリコン塗料:耐用年数は7~13年。コストと耐久性のバランスが良く、選ぶ人が多い塗料です。
フッ素塗料:耐用年数は13~20年。費用は高いですが、耐用年数が高く、ビルやマンションに使われることが多いです。
無機塗料:耐用年数は15~25年。無機のため固い塗料です。紫外線の影響を請けないため、高価格ですが高寿命です。

一般的に壁のメンテナンスは10年毎と言われます。
金額は上がりますが、耐用年数の長い塗料を選択しておくと、メンテナンス期間が延び、トータルメンテナンス費を抑えることができます。

2. 外壁のシーリング材

壁材はサイズが決まっていますので、必ず接続面があります。
この接続面を埋めてくれているのが、シーリング材です。
シーリング材は外壁の隙間を埋め、雨水の侵入を防ぐ役割があります。
伸縮性があるため、家の振動を吸収して壁を守ってくれます。
シーリング材が劣化すると、固くなり、割れてきます。
すると、隙間から雨が侵入し、雨漏りの原因となります。
実は、雨漏りの原因の多くは壁からなのですよね。

シーリング材には、様々な種類と特徴があります。

シリコンシーリング:耐候性と耐熱性に優れ、高い伸縮性を持つため、温度変化や建物の動きに対応するため、窓周りや浴室に最適です。
変成シリコンシーリング:新築時に多く使われ、耐用年数は10年程度です。
ウレタンシーリング:耐久性と弾性があり、外壁の接合部によく使われます。ただし、紫外線に弱いため直射日光が当たる場所には不向きです。
アクリルシーリング:価格が手頃ですが、シリコンやウレタンに比べて耐久性や伸縮性に劣るため、最近はあまり使われていません。

オートンイクシードとう塗料は、延び率が1000%と、一般の塗料400%と比べて、圧倒的な耐久性があります。
耐用年数が15~30年と非常に長く、長期的なメンテナンスに優れています。

ここで大きな問題なのですが
塗料の耐用年数より、シーリング材の耐用年数の方が短いことが多いのですよね。
シーリング材の寿命は、一般的には5~10年程度と言われています。

壁のメンテナンスの際には、必ず、足場を組まなければなりません。
この足場の設置費用が高いのですよね。
できれば、塗装とシーリング材のメンテナンスタイミングを揃えたいところです。

耐用年数の長いシーリング材を選択しておくと、壁のメンテナンスが同時に行えますので、トーナルメンテナンス費を抑えることができます。

3. 屋根のルーフィング材

「屋根材が雨を防いでいるのではないのですよ」

こう言われて驚いたことを思い出します。
瓦であろうと、スレート系であろうと、雨が中に入ります。
この中に入った雨を防いでくれているのが、ルーフィング材、すなわち防水シートです。
(壁も同じですね)
ルーフィング材は、屋根の防水性能を支える重要な役割を果たします。
これがしっかりしていないと、家の寿命に大きな影響を及ぼします。

屋根材に関しては耐用年数が15年、20年、30年と長いものが多いのですが、実はその下にあるルーフィング材の寿命が短いのです。
ルーフィング材を張り替えるためには、当然ながら、屋根材を剥がす必要があります。
つまり、ルーフィング材の耐用年数そのものが、屋根の耐用年数と言える訳です。
このルーフィング材の耐用年数が、屋根材の耐用年数よりかなり短いのが問題なのです。

ルーフィング材には、様々な種類と特徴があります。

アスファルトルーフィング:耐用年数は10~15年。一般的な防水シートで、価格も手頃です。
改質アスファルトルーフィング:耐用年数は20~30年。ポリマーなどを加えて耐久性を高めています。
基材不織布ルーフィング:耐用年数は30年。紙に比べて破れにくいため、耐久性があって長期間水分の侵入を防いでくれます。長期間の防水性能を発揮します。
粘着ルーフィング:耐用年数は30年。施工が簡単で、防水性能も高いです。タッカーを使わないため、穴があかず防水性に優れています。
透湿ルーフィング:耐用年数は50年。室内の湿気を外に逃がし、外部からの水分は通さないため、非常に高い防水性能を持ちます。

ルーフィング材の選択は、家全体の防水性と耐久性に直結します。
初期費用は高くても、長寿命のルーフィング材を選ぶことで、将来的なメンテナンスコストを大幅に削減できます。

よく使われるルーフィング材の固定にはタッカー(大きなステープラーのようなもの)を使うことが多いです。
つまり、ルーフィング材に穴を開けます。
一般的な、アスファルトルーフィング、改質アスファルトルーフィングは、素材が延びて、タッカーの穴を塞いでくれます。
そのため、タッカーの穴から水が入りにくくなります。
多くのハウスメーカーが、ルーフィング材で上記の説明をされていると思います。
しかしながら、経年劣化してくると、可塑剤が抜けていき、ルーフィング材の伸縮性が落ちてきます。
つまり、塞いでいたタッカーの穴が開いてくるのです。
そこから、雨漏りが発生してきます。
雨漏りが発生してしまうと家を傷めます。
そのため、ルーフィング材の交換は、耐用年数内に行うのが良いとされています。
この耐用年数が屋根材より短いため、どのような屋根材を使おうとも、屋根のメンテナンス期間が短くなってしまう訳です。

最近の一体型ではなく、屋根の上に太陽光パネルを設置している場合、ルーフィング材の交換は本当に大変です。

最近では耐用年数30年、60年のルーフィング材も出てきています。

NEWライナールーフィング: 耐用年数30年
マスタールーフィング: 耐用年数60年以上

永久ではありませんが、かなり長い期間、屋根を守ってくれます。
コストは少し上がりますが、それでも屋根のメンテナンス費用に比べるとかなりの低コストです。

耐用年数の長いルーフィング材を選択しておくと、トーナルメンテナンス費を抑えることができます。

 

ということで、家を長持ちさせるために重要な、外壁の塗料、外壁のシーリング材、屋根のルーフィング材についてお話させていただきました。
耐用年数の長いものを選ぶと、結果的にメンテナンス費用の大きな節約に繋がります。

ただし、大手ハウスメーカーの場合や、商品名のついた住宅パッケージの場合、その仕組みのため、施主側が指定した材料を使うことが難しい場合が多いのも現状です。

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設計事務所や工務店での自由設計の場合は、ぜひ、耐用年数の長い材料について相談してみてください。
高いといっても、各種オプション加算に比べると、わずかな費用といえます。
特に、外壁のシーリング材、屋根のルーフィング材については、耐用年数が長いものを選択されることをお薦めします。

家を建てる際には、これらのポイントをしっかりと押さえて、家族が安心して暮らせる素敵な家づくりを目指しましょう。

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