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熱移動の3原則(熱伝導・対流・熱放射)を学んで、寒さ対策はバッチリ!

今年は暖冬ですが、ようやく寒さがやってきていますね。

 

ところで、あなたの家は暖かいですか?

 

エアコン、ファンヒーター、ホットカーペット、コタツ、ハロゲンヒーター等、様々な方法で「暖」を取られているかと思います。

床暖房や、薪ストーブなんかあると幸せですよね♪

 

さて、今回は「熱移動の3原則」について。

暑さ、寒さの基本の原則!

この原則をしっかり理解していると、家の暖かさが変わってきますよ♪

 

熱移動の3原則とは、

1.熱伝導
2.対流
3.熱放射(輻射)

の3つのことを指します。

 

順番に解説していきますね。

 

1.熱伝導

物質を介して熱が伝わることをいいます。

簡単に言えば、触ると熱い、触ると冷たい、というやつです。
直接触れることで、熱が暖かい方から冷たい方へ移動していきます。

 

熱伝導率という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
熱の移動のしやすさを規定する数値です。
この数値が高いほど、熱を通しやすく(移動しやすく)なります。

一般的に、熱伝導率は、
個体 > 液体 > 気体
となっています。

 

例えば、熱伝導率(W/m・K)を見てみると、

鉄83.5 >> 氷2.2 > 水0.582 > 空気0.0241

冬の鉄って、ものすごく冷たいのですが、こんなにも熱を通しやすいのですね!

 

ちなみにガラスの熱伝導率は0.55~0.75と、液体の水に近い値

なんと、ガラスって「動きが凍結した液体」なのですよね。

 

床が冷たくて、足が冷えることがありますよね。
冬用の分厚い靴下をお持ちではありませんか?

分厚い靴下をはくことで、床と肌の間に熱伝導率の低い「空気」を含んだ生地を挟めます。
これで、熱伝導による体温の消失を防ぐことができます。

 

熱伝導の具体例です。

お風呂の湯船に入ると温かい、これが熱伝導です。

暖房器具でいえば、ホットカーペット熱伝導にあたります。

使い捨てカイロが暖かい!というのも、熱伝導ですね。

 

2.対流

液体や気体の流れに乗って熱が移動することをいいます。

わかりやすく言えば、
温められた水や空気は上に上がり、
冷たくなった水や空気は下に下がり、
その移動の流れに乗って熱も動きます。

ガス湯沸かし式のお風呂だと、湯面が熱くても、底は冷たいときがありますよね。
これが、水の対流です。

家の暖房で言えば、吹き抜けのあるリビングや、リビング階段の場合、

2階に熱が上がっていって、変わりに、階段から、吹き抜けから、冷たい空気が下りてくる状態です。

この現象を「コールドドラフト」と言いますが、これが空気の対流なのです。

 

夏の場合でも、2階に熱が籠って蒸し風呂状態になることがありますよね。
これも、空気の対流で熱が上に上がっていくためです。

 

暖房器具でいえば、エアコン、ファンヒーター対流を利用しています。

ただし、直接、肌に風が当たると、「気化熱」を奪われて寒くなってしまいます。
(扇風機やうちわが涼しいのは、この気化熱を利用しています。)

エアコン等の風の向きには注意が必要です。

 

吹き抜けを作っている場合、天井にはシーリングファンを設置していることが多いのではないかと思います。

これは、対流で上がった熱を、ファンで下に戻すことが目的です。

これがないと、いつまでも熱の対流が起こりますので、
暖房をすればするほど、1階は寒く、2階は暑くなっていきます。

寒さ対策で、リビング階段にカーテンやのれんを設置するのも、対流で冷気が下りてくるのを防ぐ対策です。

 

3.熱放射(輻射)

温度差がある物体の間で、熱が移動することをいいます。

この現象、頭で考えるととてもわかりにくいのですよね。

具体例でいうと、

焚火(薪ストーブ)のそばは暖かい
窓から入る日差しが暖かい(熱い)

という状況です。

熱伝導で出たホットカーペットは、実は熱放射による暖かさもあります。

床暖房も、発熱式の場合は床が「熱く」なっていますが、温水式の場合は、25~28℃ほどと、実はそれほど高い温度の水は流れていません。

それでも気温よりは高い温度ですので、熱が移動していき、温かく感じるのです。
逆に、熱放射で床に体温が奪われにくいですので、寒く感じないという点もあります。

コタツも、熱伝導のように見えますが、直接肌に触れませんので、熱放射による暖かさですね。
(熱放射で温まったコタツ布団からは、熱伝導で暖かく感じます。)

 

室温は暖かいのに、なぜか、冷えて寒い!

ということがありますよね。

実はこれも熱放射により、体の熱が奪われているからなのです。

 

例えば、床の温度が冷たいと、足元から伝導で熱が奪われるだけでなく、床と接していない体全体からも熱が移動していっています。

 

最も熱を奪われるのは、実は「窓」なんです。

正確に言えば「窓のサッシ」でしょうか。

冬は、窓から逃げる熱量は、家全体の約50%!と言われています。

 

熱伝導の部分で熱伝導率を出しましたが、こちらを見てください。

アルミニウム236 >>> 鉄83.5 >>> エポキシ樹脂0.21、木材0.15~0.25

アルミニウムって、鉄よりはるかに熱伝導率が高いのですよね。

日本の窓には、アルミサッシが多く使われているのが現状です。

すなわち、冷たい温度を伝えやすいし、温かい温度も伝えやすいということです。

あなたの家の窓のサッシの素材は何でしょうか?

アルミサッシの場合、このように熱伝導率が異常に高いため、冬は外気の寒さを室内に伝えてしまいます。

つまり、アルミサッシってとっても冷たくなっているのですよね。
(冬のアルミサッシを触ると、めちゃくちゃ冷たいのは、さらに熱伝導で一気に体温を奪うためです。)

すなわち、冬のアルミサッシのそばでは、熱放射でどんどん体温が奪われていっているから寒いのですよね。

 

熱伝導率の低い、樹脂サッシや、木製サッシが暖かいというのは、この熱放射で体温が奪われるのが少ないからなのです。

建てる時のコストはアップしますが、生活の快適さや、長い目でみた冷暖房コストを考えると、個人的にはサッシはより良いものを使うことをお薦めします。

 

ということで、暖房器具を利用する際には、どの熱移動を利用しているのかを考えて使いましょう!

エアコン:対流
ファンヒーター:対流
ホットカーペット:熱伝導、熱放射
コタツ:熱放射、熱伝導(暖められこたつ布団から)
ハロゲンヒーター:熱放射
床暖房:熱放射、熱伝導
薪ストーブ:熱放射
日中の窓からの日光:熱放射
くつ下:熱伝導、熱放射

 

リビングだけ暖房している場合、
周囲の部屋や廊下は、温度が低い状態です。
部屋から出た瞬間に、対流と熱放射で体温が奪われていきます。

お風呂から出た際に、脱衣室の気温が低いと、急激に対流と熱放射で体温が奪われていきます。
これが「ヒートショック現象」の原因となります。

※ヒートショック現象とは、住環境における急激な温度変化によって血圧が乱高下したり脈拍が変動する現象

部屋と部屋の気温差はできる限りなくす方が、健康に良い家となります。

 

最近は本当に家の性能が良くなり、高気密・高断熱となってきました。

家を建てる際には、室温のシミュレーションもしっかり行いましょう!

家の温度対策で必要なことは、「気温」「湿度」「部分的温度」の3つです。

「気温」・・・言わずもがな、高ければ暑い、低ければ寒い、です。
「湿度」・・・高ければ暑い(不快)、低ければ寒い(涼しい)、です。

気温と湿度については、結露対策とも関係してきますので、こちらをご参考ください。

 

「部分的温度」が、今回の大きなテーマです。

まずは、赤外線温度計を買って、あちこちの「部分的温度」を測定してみましょう!


SOVARCATE 赤外線温度計 非接触 デシタル温度測定器

思ったより高くないので、家族の健康のためにも、快適な住まいのためにも、一家に一台あると便利です!

 

床って、熱伝導率が低い「木」のはずなのに、どうして冷たいの?

と思われる方は、ぜひ、こちらの記事をご覧ください。

 

熱伝導率の高い部分、冷気の源となる部分は、寒さ対策を行う必要があります。

特に窓が、シングルガラスだったり、アルミサッシだったりした場合は「内窓」をつけて「二重窓」にすると、驚くほど室温が変わってきます。


アクリサンデー エコな簡易内窓セット LW1800×H1400以内

 

いやいやお金ないですし!という方、冬の間だけと割り切るなら、激安DIYもお薦めです!

Youtubeで「内窓 DIY」と検索すると、たくさんの実例を見ることができます。

 

プチプチなんかを窓に貼る方法もありますが、


ニトムズ 窓ガラス 結露防止シート 幅90cm×長さ1.8m×厚さ約7mm

経験上、窓よりもアルミサッシの対策の方が重要です!
結露対策にもなりますよ。

 

ということで、「熱移動の三原則」暖房対策は密接なつながりがあります。

ぜひ、家を建てる際にも、建てた後にも、自分の家に合った対策を実行していきましょう!

ちなみに、なんだかんだ言って、私は床暖房派です!

床暖房について語りたい!冬が苦手な人はぜひ検討!

 

でも、薪ストーブにも、めちゃくちゃ憧れます!!

 

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー(家の素人 勉強中)
家を建ててようやく家の基本中の基本を知る。
建築家の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 




 

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