家を建てたい人のための情報マガジン

フローリングの床はなぜ冷たいの?寒いの?




前回の記事で、フローリング材について書かせていただきました。

色だけで決めちゃダメ!フローリング材について調べてみました!(針葉樹と広葉樹、無垢と合材)

 

無垢フローリングは温かい、足が冷たくない、というイメージがありますよね。

逆に、合板フローリングは冷たいイメージがあります。

 

でも、合板フローリングだって、表面部分は木ですし(挽き板、突き板)、

画像はこちらからお借りしています。

いや、挽き板、突き板もほぼ合板でしたね・・・(汗)

でも、そもそも合板だって木ですよね?
だったら、それなりに温かくてもいいのでは???

 

ということで、調査開始です!!

 

まず、無垢フローリングから。

前回の記事でも記載しましたが、針葉樹の無垢なのか、広葉樹の無垢なのかで、性質が違います。

 

一般的に、
やわらかくて温かいのは針葉樹、硬くて冷たいのが広葉樹です。

 

ということは、無垢フローリングにしても、広葉樹を使用すると、針葉樹よりは冷たいということになります。

 

熱伝導率(単位:W/m・k)を見てみますと、ある資料によると、

天然1種
檜(針葉樹)、杉(針葉樹)、えぞ松(針葉樹)、とど松(針葉樹)等 0.12

天然2種
松(針葉樹)、ラワン(広葉樹)等 0.15

天然3種
ナラ(広葉樹)、サクラ(広葉樹)、ブナ(広葉樹)等 0.19

となっています。

 

熱伝導率が大きいほど、熱が伝わりやすい
すなわち、冬の場合、体の熱が床に移動しやすく、冷たく感じやすい、ということになります。

わずかな差ではありますが、

広葉樹の方が、針葉樹に比べて1.5倍くらい熱が伝わりやすいですね。

 

ちなみに、

畳床 0.11
プラスチックタイル 0.19
タイル 1.3
コンクリート 1.2~1.6

となっています。

 

畳は優秀ですね!素晴らしい!

 

驚いたのは、プラスチックタイル。
広葉樹と同等レベルの熱伝導率なのですね。
もっと、熱伝導率が高いものだと思っていました。
確かに、冬に触って、冷たい!とはなりませんね。

 

ちなみに、木が温かいと言われるのは、たくさんの空気の隙間があるからです。
この隙間のことを「空隙率」といいます。

 

針葉樹は、多くの空気を含んでおり「空隙率」が高いため、素足でも温かく感じます。
家を建てた方々の感想を読んでいても、針葉樹の無垢フローリングは温かそうですね♪

 

広葉樹は温かい地域で育つ場合が多く、空隙率は少ないのです。
なので、広葉樹は針葉樹に比べて断熱性が低くなる、すなわち冷たく感じやすい、ということになります。

 

足が床に接する面積を減らすことで、熱が移動しにくく、温かみを感じやすくなるという方法もあります。
木目を引き立てる、浮造り加工(バレン加工)などが一つの方法ですね。

 www.koubou-shiraku.com
うづくり加工サービス
https://www.koubou-shiraku.com/uzukuri/top/uzukuri.html

浮造り加工は、デザイン的にも素敵ですね♪

 

では、合板フローリングはどうなのでしょうか?

合板の熱伝導率はこちら

合板 0.16

なんと、それなりに高いのですね!広葉樹レベルです。

 

実は、合板には多くの広葉樹(ラワンやチーク等)が使われています。
もともと、空隙率が低い木を使っているのですね。

合板は数ミリの薄い木を重ね合わせて作ります。
木が薄いということは、空気層が少ないということ。
さらに、80%から60%の厚さまでプレスして作りますので、ほとんど空隙率がなくなってしまうレベルになってしまいます。

合板フローリングは表面に天然木を張っているとはいえ、

挽き板(10mm~20mm)、突き板(0.2mm~0.6mm)

ですので、空隙率はかなり低いものとなります。

すなわち、冷たいのですよね。

 

さらに、合板フローリングの場合、表面にコーティングがなされています。

アクリルコーティング、ウレタンコーティング、シリコンコーティング、ガラスコーティング、UVコーティング等、コーティング材も様々です。

 

コーティングをすることで耐久性は上がるのですが、温かさややわらかさといった、肝心の木の本来の良さはなくなってしまいます。

また、コーティングすることで、より熱が移動しやすくなりますので、冬は足がひんやりとしてしまいます。
(UVコーティングでは厚みがあるので、ひんやり感が軽減されると書いてあるものも見ました。実際に行っている方、感想をお願いします!)

そのため、合板コーティングは冷たく感じてしまうのですね。

 

最後にですが、
冬の床下の冷たい空気が、どれだけ床を冷やすのか?
床の断熱性も大きな問題です。

・どのような断熱材を使っているのか?
・断熱材の厚さはどのくらいなのか?
・施工はきちんとされているのか?

ということが最も大切なのかなと思います。

 

素人感想としましては、床の冷たさの影響度合いは、

床の断熱>コーティング>合板>広葉樹>針葉樹

なのかなと感じています。

 

冬が近づいてきましたが、足冷えに気をつけて、冬を温かく過ごしていきましょう!

 

フローリング材については、こちらもご参考ください。

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 




 

住宅会社・設計事務所の皆さま、「HOUSEリサーチ」の掲載申込み・資料請求はこちらから!

 

 

 

CLOSE