家を建てたい人のための情報マガジン

「家の呼び方」の違いでわかる家づくりの方針

以前、ご紹介させていただいた本の中に、

「家」の呼び方の違いがありました。


家づくりの教科書

 

・不動産屋さんでは「物件」

・大手ハウスメーカーでは「商品」

・設計事務所では「作品」

 

>どれも同じ「家」のことです。

>どれが正解でどれが不正解というのはありませんが、あなたはどの家がお好みでしょうか?

と書いてあるように、良し悪しではなく、考え方で分類されています。

皆さんの地元の工務店さんではどのように呼ばれているでしょうか?

 

さて、

「家を建てる」=「注文住宅」

と思っている方が多いかと思いますが、

「注文住宅」=「自由設計」

かと言いますと、実はそうではありません。

 

今回は「注文住宅」とは何なのか?ということについて考えてみます。

 

「注文住宅」にはフルオーダーとセミオーダーがある

1.完全なるオーダーメイドの「注文住宅」

皆さん、家を建てる際に、雑誌を見たり、instagramで調べたり、HOUSEリサーチを見てみたり、と自分の家のイメージを膨らませることから始めますよね。

・外観はこんな感じ♪

・リビングは○帖の広さは欲しいな♪

・吹き抜けは必要だよね♪

・書斎は必ず欲しいな♪

・キッチン動線は重要だよね♪

・床材は絶対、無垢にしたいよね♪

考えるほど、ワクワクしてきますよね!

 

でも、検討している土地の面積で、検討している延床面積で、検討している予算で、それを全部詰め込むことってできるのでしょうか?

 

・全部は難しくても、可能な限り希望を詰め込みたい!

・どこにもない、オリジナルな家にしたい!

という方は、設計事務所にご相談されるのがお勧めです。

完全なる「自由設計」で家を建ててくれます。

 

実は、完全なる「自由設計の注文住宅」を建てようと思うと、設計事務所にお願いをするか、大工さんに直接お願いするか、しかありません。
(大工さんにお願いする場合も、どこかの設計事務所にお願いする事となります。)

外観、間取り、空間、その他様々な希望を、予算の範囲内で検討してくれます。

もちろん、住みやすさ、使いやすさをアドバイスしてくれますので、あきらめなければならないこともできてくるでしょうし、自分のイメージ以上の家ができるもくるでしょう。

設計事務所にも、いろいろな所があります。

意匠を大切にする設計事務所住みやすさを大切にする設計事務所、施工事例や設計士のお話をしっかり聞いて、理想の家を建ててくださる設計事務所を選びましょう!

ちなみに、家の値段は「設計料+建築費」となりますので、ハウスメーカー等とはお金の見積もり方法が違います。

 

2.イメージしやすいセミオーダーメイドの「注文住宅」(2-A)

住宅展示場にあるような大手ハウスメーカー
フランチャイズ加盟している工務店
オリジナルの「商品」を持つ工務店

などなど、家に「商品名」がついているものを取り扱っている住宅会社のケースです。

「注文住宅」ではありますが、完全な「自由設計」ではありません。

スーツに置き換えますと「セミオーダースーツ」を仕立てる感じです。

 

例えば

・外観はこの形の中から選択

・外壁はこの中から選択

・キッチンはこのモデルが標準

・床はこのタイプが標準(合材が多いですが、無垢を選べる商品もあり)

・窓はこのモデルが標準

・階段はこういう形が標準

・お風呂はこのモデルが標準

というように、基本的にはパターンを組み合わせて設計していきます。

その他、トイレ、洗面台、玄関、靴箱、クローゼット等、様々なものをカタログの中から選んでいきます。

 

間取りに関しては、在来工法の場合は比較的自由ですが、ツーバイフォーの場合は制約がかかることもあります。

各種長さも、尺モジュールメーターモジュール単位となるのが基本となります。

 

「商品」としてパッケージ化されることにより、各種建材の仕入れがまとまりますので、仕入れ価格を下げることができます。

そのおかげで、デザインが良く、品質の安定した家が、比較的安く建てることができるようになるのです。

 

だから、オプションを増やしたり、カタログ外の商品を選んだり、施主支給等を行うと、どうしても料金が高くなっていってしまうのです。

「商品」としてのパッケージは、大きなメリットがあると共に、こだわりすぎるとデメリットが増えてくることを知っておいてください。

よく、大手メーカーで建てると○○ルールという制限がある!という話を聞きますが、パッケージの範囲を超えた要望を出されているということなのですよね。

 

↓こちらのコラムもご参照ください。

坪単価ってどうやって決めてるの?安くて良い家(住宅パッケージ商品)を支える努力と仕組み。

 

3.建築条件付土地取引を行った場合(2-B)

土地探しの際に「建築条件付き土地」ってありますよね。

土地を購入する際に、一定期間内に指定の住宅会社と建築請負契約を成立させなければならない、という条件がついている土地のことです。

簡単に言えば、A社が分譲している土地を買おうと思ったら、A社に建築を依頼しなければならない、というケースです。

このケースの場合、もともとA社に建築をお願いしたい!と思っていたら、良いケースになることが多いのですが、

他社に建築をお願いしたかった場合、他社とA社の違いを納得していなければ、トラブルとなるケースも見受けられます。

 

「建築条件付き土地」の場合、基本的には 2.のセミオーダーメイドの「注文住宅」となります。

そのため、契約する住宅会社の特徴をしっかりと知っておかなければなりません。

よく「自由設計」と謳っておられるケースを見かけますが、

「建築条件付き土地」の場合、その土地の形状がわかっていますので、実は建物の形状・設計も自ずと決まってきます。

・土地を購入する前に、仮設計をどこまで詰めることができるのか?

・建物の金額をどこまで詰めることができるのか?

・その家が、あなたが気に入るものになるのか?どうか?

ということを理解した上で、土地の購入を行うことが大切です。

 

 

「注文住宅」には、フルオーダーセミオーダーがあることを書かせていただきました。

ローコスト住宅の場合、「オプションをたくさんつけると結局、高くなる!」というお声も聞きますが、

これも、

2.イメージしやすいセミオーダーメイドの「注文住宅」(2-A)

と同じ考え方です。

ローコスト住宅の名の通り、コストを下げるために様々な工夫をされています。

その分、各種制限がかかってきますので、こだわるとどんどんオプションが追加されて値段が上がるのは当然ともいえます。

だからこそ、ハウスメーカー・工務店・設計事務所等の住宅会社のことをきちんと知ることが大切です。

 

きちんとお話を伺って、詰められるところはきちんと詰めて、理想の家を建ててくださいね。

あなたの素敵な家が建つことを応援しています!

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー(家の素人 勉強中)
家を建ててようやく家の基本中の基本を知る。
建築家の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

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