坪単価○万円!!
という広告をよく見かけると思います。
△坪の家を建てるのだったら、
○万円×△坪=○○○万円!!
と、イメージがつきやすいですよね。
逆に、多くの住宅会社さんからよく聞くお話。
「坪単価はいくらですか?」と聞かれても困るのですよねぇ・・・。
さて、今日はそんな坪単価のお話です。
ちなみに、HOUSEリサーチでも、住宅施工例を坪単価で絞って検索する機能があります。
例)
住宅会社の坪単価を比較しても全く意味がない!
さてさて、最初に「結論」なのですが、
住宅会社の坪単価を比較しても全く意味がない!
ということからスタートしたいと思います。
坪単価を比較する意味がない理由は大きく2つあります。
1.坪単価の計算方法が違う!
一般の方にほとんど知られていないのですが、坪単価の計算方法って標準計算式というものがないのですよね。
例えば
A社
坪単価は施工面積で計算
B社
坪単価は延床面積で計算
※施工面積の方が広いですので、当然ながら同じ金額でも坪単価は安くなります。
例えば
C社
坪単価は建物の価格のみで計算
D社
坪単価は建物の価格と基礎工事と附帯工事で計算
※基礎工事と附帯工事って、それなりにお金がかかるのですよね。
※家=建物 であって、基礎や附帯工事とは本来は別モノなのです。
例えば
E社
坪単価には太陽光発電一式が含まれる
F社
坪単価にはキッチンも建具も含まれていない
※家=建物 ですので、中の建具がどこまで含まれているのかによって金額は変わってきます。
といった感じだとわかりやすいでしょうか?
参考までに、家を建てるためには様々なお金が必要です。
(こちらを参照)
ハウスメーカー系の場合、坪単価の算定は、建物+標準仕様の建具というケースが多いように感じます。
基礎工事や附帯工事は別のケースが多いです。
ローコスト系の場合、坪単価の算定は、建物+標準仕様の建具+基礎工事+附帯工事というケースもよく見かけます。
本来であれば、建物の構造や間取りによって、料金が変わってくるのが当然で、坪単価×△坪という計算はできないのですが、住宅という商品をわかりやすくご提案するために坪単価という方式を採用されているところが多いですね。
2.同じ会社でも人によって金額が違う!
わかりやすい言葉でいうと「オプション」というものです。
多くの住宅会社では、値段を抑えるために「標準仕様」というものを設定しています。
キッチンやお風呂、トイレ、建具、床材、食器洗い乾燥機など、一定の商品を一定数購入する事を前提に、LIXILさん、クリナップさん、TOTOさん、Panasonicさん等から安く購入をしているのですよね。
すなわち、施主さんが「標準仕様」以外のモノを導入しようとすると、仕入れが高くなってきますので、当然ながら値段が上がってきます。
また、「標準仕様」にも様々な上位オプションがあり、
良いモノを選んでいくと、当然ながらオプション料金は高くなっていきます。
一般的に、抑えたとしても、200~500万円ぐらいは、あっという間にオプション料金で上がっていきます。
一度、上位オプションを見てしまうと、「標準仕様」が色あせて見えてしまうのですよね・・・(汗)
「標準仕様」に入っていないモノ
「標準仕様」に入っていないモノの代表的なものとして、
・カーテンレール
・カーテン
・照明器具
・網戸
・テレビボード
・キッチン収納棚(カップボード)
・シャッター
等があります。
ローコスト系の場合、あれもこれも付いてなくて、オプションのケースもありますので、事前にしっかりと確認することが重要です。
まぁ、値段を下げる=見た目の坪単価を下げる ためには、当然といえば当然な訳です。
ということで「坪単価を比較する」ことの意味がないことを記載させていただきました。
地盤改良が必要な場合は、土地の坪単価まで上がることになりますので、こちらも予算を考える際には要注意です。
一般的に、荒プランで住宅会社と契約してから、その後詳細を詰めていくケースが多いかと思います。
(最初から設計料や打ち合わせ費用を支払って、すべて詰めてから本契約をするのでしたら別なのですが。)
○万円×△坪=○○○万円
という考えで進めていくと、予算が大きく変わってきますので、その点をしっかりと考慮・検討してから契約をしてくださいね。
意識していないと、大きな買い物の際には、人の金銭感覚は麻痺してきますからね。
家は建てることが目的ではなく、建ててからの生活が重要です。
・節約しすぎて、気に入らない家が建ってしまった
・贅沢しすぎて、住宅ローンの支払いで生活の質が下がった
ということがないよう、しっかりと検討していきましょう!
そもそも坪単価が計算できるのはどうして?を知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
坪単価ってどうやって決めてるの?安くて良い家(住宅パッケージ商品)を支える努力と仕組み。
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
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