こちらは、以前に書いたコラム。
そうなんです!
太陽光発電のみでは、停電時や災害時に「ほぼ役に立たない」のです。
太陽光発電のみの場合、停電時や災害時用には、パワーコンディショナーを「自立運転」切り替えます。
この「自立運転」用のコンセントが微妙でして・・・
・1家に1ヶ所のコンセントのみ
・最大1500wまで
という制限があります。
この制限がかなり大きく、必要最低限の家電しか動かせません。
しかもしかも、蓄電池がありませんので「太陽が照っている時」しか、実質使えないのですよね。
雨の日はもちろん、曇りの日も、ほぼ役に立たないのが現状なのです。
災害時用の「手回しライト」を思い浮かべていただくと理解しやすいかもしれません。
ハンドルを回している間だけ、ライトが付く、という仕組みと同じです。
防災手回しラジオ 大容量2000mA スマホ充電対応可能 防水
このような災害用の商品は、一応、小さな蓄電池がついていますので、回して使って、すぐに回して使って、とできますが、太陽光発電のみの場合、蓄電池が全くありませんので、発電できなくなった瞬間に電気は止まります。
曇りの日や、雨の日、朝方や夕方には、ほぼ使えないと考えてよいのですよね。
そこで「蓄電池」の登場です!!
太陽光発電に「蓄電池」をプラスすれば大丈夫!!・・・なのでしょうか?
なんか、テレビCMなどでは、夜間や停電時も気にせずに使っているようだけど、自動的に切り替わってくれるの?
そんな疑問ばかりになります。
今回は、そんな「蓄電池」について、わかりやすく解説させていただきます!
目次
蓄電池の種類
まずは蓄電池の種類の違いについて知っておきましょう!
【独立型 と 連携型】
・独立型
電力会社による商用電力系統の充電しかできません。
・連携型
商用電力系統と太陽光発電システムのいずれからも充電が可能です。
【全負荷型 と 特定負荷型】
・全負荷型
家中のすべてのコンセントが使える仕組みです。
使える電気の最大値(約2,000~5,000W)が設定されており、それ以上使うと、システムダウンとなります。
・特定負荷型
特定のコンセントだけ使えるようにする仕組みです。
蓄電池の電気を長持ちさせることができます。
エアコンなどの200V家電は使えません。
【単機能型 と ハイブリッド型】
・単機能型
太陽光発電のパワーコンディショナー(パワコン)と、蓄電池のパワコンが別々に作動します。
太陽光発電DC(直流)→太陽光発電パワコンAC(交流)→蓄電池パワコンDC(直流)→蓄電池に充電
パワコン変換によるエネルギーロスは約5%のため、約10%程度の電気がロスとなります。
・ハイブリッド型
太陽光発電のパワコンと、蓄電池のパワコンが連携しています。
太陽光発電DC(直流)→蓄電池パワコンDC(直流)→蓄電池に充電
エネルギー変換ロスがないため、約5%のロスで済みます。
この3種類の区別がありますが、これから主力となる商品は
【連携型 & 全負荷型 & ハイブリッド型】の蓄電池です!
これ1択と言って良いです!
簡単にまとめると
・深夜電力からも太陽光発電からでも蓄電でき(連携型)
・停電になっても気にせず、すべてのコンセントを使うことができ(全負荷型)
・エネルギーロスが少ない(ハイブリッド型)
蓄電池です。
この蓄電池を採用するには、後付けではコストがかかる(太陽光発電のパワコンの交換等)ため、新築時に導入することが必須となってきます。
太陽光パネル+蓄電池の活用方法
具体的な使い方はこんな感じです。
※電気料金を 日中電気>売電>深夜電気 で考えた場合
【晴天時】
・日中は、太陽光発電で発電した電気を自家消費しながら、残った電気は売電または蓄電
・夕方から就寝までは、蓄電池の電気を消費(蓄電は特に必要なし)
【曇天・雨天時】
・日中は、太陽光発電で発電した電気を自家消費しながら、不足分は蓄電池の電気を消費
・夕方から就寝までは、蓄電池の電気を消費
・その後、深夜電力を使って蓄電
【停電時・非常時】
・日中は、太陽光発電で発電した電気を自家消費しながら、残った電気は蓄電
・夕方から就寝までは、蓄電池の電気を消費
といった感じでしょうか。
※日本中で原子力発電所が停止し、夜間の発電過剰状態がなくなったため、深夜電力を安くする必要がなくなってきました。
※最近の電気料金プランは、深夜電力が特に安くないので、契約されている電気料金プランと、蓄電タイミングを熟考することが大切です。
統計によると、家庭における、1ヶ月に使う平均の電気使用量は360kWh、1日あたり12000W程度。
太陽が出ていない夜間帯に使う電気は、約5000~6000Wと言われています。
蓄電池の容量が、5kWhなら約1日、10kWhなら約2日の電気をまかなうことが可能な計算です。
もちろん、太陽光や深夜電力で蓄電しながら使いますので、毎日、お得に電気を使えます。
「蓄電池」があれば、卒FIT(売電10年目以降)も、電気代の心配がほとんどなくなりますね。
導入コストと、ランニングコストをクリアできるなら、太陽光発電+蓄電池 は必須アイテムとなりそうです。
【コスト】
初期費用(商品代金+工事料金)
容量5kWh:定価で税別100万円前後
容量10kWh:定価で税別150~200万円前後
工事料金:20~50万円
蓄電池のリチウムイオン電池は、6000~12,000回のサイクル回数となっています。
メーカー毎に違いがありますので、ぜひ、確認しましょう。
ちなみに、蓄電池の「保証期間」は、蓄電池ユニットで10年~15年、蓄電池容量で7年~15年となっています。
蓄電池容量は、50~60%を下回る際に保証が使えます。
蓄電池の寿命は15年~20年、パワーコンディショナー(パワコン)の寿命は10年~15年と言われています。
技術革新と、採用数アップで、10年後には、蓄電池の価格も大幅に下がりそうですね。
ちなみに、個人的に現時点で「最強」だと思うのが、
13.75kWの太陽光パネル+蓄電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)で、なんと約230万円とのこと。(2021年12月現在)
蓄電池は約30年も使えるのだとか。(真偽は使ってみないと、ですが)
※噂では13.75kWでも、出力調整により、10kW未満(住宅用太陽光発電)で売電可能なのだとか。ほんとなら、すごいです。
ということでまとめです!
・太陽光発電+蓄電池 はあり!
・設置するのは【連携型 & 全負荷型 & ハイブリッド型】の蓄電池
・あとは、予算シミュレーションをしっかり行いましょう!
いっしー宅もなのですが、蓄電池により太陽光パネルが普及が加速しても、太陽光パネルを利用していない家庭の電気料金が上がり続けないように(祈)
発電促進賦課金って、なかなかお高いのですよね。
こちらのコラムもご参考ください!
太陽光発電ってお得なの?私もわからなかったので勉強してみました!
「日産リーフe+」のキャンペーンから、災害時の太陽光発電のあり方を見直してみましょう!
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
住宅会社・設計事務所の皆さま、「HOUSEリサーチ」の掲載申込み・資料請求はこちらから!