家を建てたい人のための情報マガジン

土地選び、災害対策もしっかり考えよう!(地震・豪雨・台風)




地震、豪雨、台風

近年、毎年のように全国のどこかで災害が発生しています。

数十年に一度の災害であっても、当事者の方々にとっては「現実」です。
私たちが安心して暮らすためにも、住む場所というのは、本当に考えなければならないなと感じます。

地震による直接の被害も怖いのですが、被災の大きな原因は「水」であると思われます。

下水の逆流、川の氾濫、土砂崩れ、液状化現象、津波、すべて「水」が原因です。

 

家を建てよう!と考えた時に、

どこの住宅会社で建てようか?

という問題と共に、

土地が見つからない!

という問題も同時に発生します。

エリア、広さ、価格、学校やショッピングセンターとの距離、公共交通機関、ご近所さん、隣家との距離、等、なかなか理想の土地に廻りあうには時間がかかります。

何件も土地を見に行っていると、だんだんと焦ってきて、「ここでいいや!」という気持ちになってきます。

そんなとき、

「災害対策」という観点から土地を検討することも必要

なのではないかなと思います。

今回は、私が思う「熟考が必要な土地」について考えてみます。

 

1.河川のそばにある土地

現在、河川の土手・堤防はかなりしっかりしたものになってきています。

ただし、これは過去の氾濫による経験のためでもあります。

これまで、氾濫の経験がない場合は、昔ながらの土手・堤防であるところも少なくありません。

以前は、土手下の土地というのは敬遠されていたように思うのですが、河川の安全が高まった結果、最近では土手下の分譲地もよく見かけます。

ただし、これらの土地は、河川が越水・氾濫した場合、最初に浸水被害が起き、水が引くのも最も遅くなります。

そのリスクのため、土地の値段が少し安くなっており、予算面のみ検討している場合、魅力的に感じてしまいます。

※氾濫:河川などの水があふれ広がること。
※溢水、越水:川などの水があふれ出ること。堤防がないところでは「溢水」、堤防のあるところでは「越水」
※浸水:洪水による氾濫によって住宅が水につかること。

とはいうものの、豪雨により堤防決壊が起こった際には、かなり広い範囲で浸水が起こります。

後述する、土地の標高を把握することも同時に必要です。

 

2.地名に○がつく土地

その土地の「地名」は重要です。

地名には意味があり、歴史があります。

現在の地名だけでなく、過去の地名も調べる必要があります。

例えば、龍、龍、鮎、鶴、蛇、女、亀、駒、椿、梅、柿などは、過去に自然災害があった土地に多いと言われます。
もともとが別の漢字であったりするので、必ずしも、この漢字が使われている訳ではありません。

また、土地開発の商売上、土地開発をする際に○○ニュータウン等に土地の名称を変更している場合もあります。

国土地理院のホームページには地名と水害」というコラムまで出ています。

 

地名については、書籍も多々出ておりますので、興味がありましたら読んでみましょう。

この地名が危ない (幻冬舎新書)

 

あぶない地名 (災害地名ハンドブック)

 

3.山すそ、崖下、斜面

土砂崩れによる災害のニュースも定期的に起こります。

これらは豪雨により山の斜面がくずれ落ちるためです。

表層崩壊、深層崩壊とあるそうですが、興味のある方はこのあたりをご覧ください。

表層崩壊(ひょうそうほうかい)と深層崩壊(しんそうほうかい)

表層崩壊について

深層崩壊についてよくあるご質問

いずれにしろ、土砂が崩れる先、土砂が崩れる上 に家があるのはとても危険です。

 

4.高い擁壁の上(盛土)

斜面に土地を建てる際に、擁壁を作って、盛り土を行い、平地にしますよね。

斜面ですので、見晴らしがよいというメリットがあります。

もちろん、擁壁は強度計算を行ってしっかりと作られています。

しかしながら、それでも数十年先となるとわかりません。

 

日経ホームビルダーという雑誌があるのですが、
2019年1月号のテーマは「災害が変える地盤対策」でした。

プロが工事を行っていても、全国各地でトラブルが起こっているがよくわかります。

最近の豪雨の場合、計算を超える量の水が擁壁内に流れ込むことがあります。

擁壁の強度はどのように保っているのか?

きちんと情報確認しておくことも大切だと思います。

 

5.標高の低い土地

なんだかんだいって、海、川、の水面より高い土地に家を建てるのは基本です。

海抜が低い土地では、造成して盛り土し、少しでも標高が高い土地にしますよね。

海辺の町の住宅の高さが凸凹しているのは、このためです。

自分が希望する土地は、標高何メートルなのか?ということを知っておくことは大切です。

豪雨により川が氾濫した場合、やはり「低い土地」を中心として浸水被害が起こります。

川そばの低い土地に大きく盛り土をして宅地造成するケースも見かけますが、エリア的に標高が高い土地の方が安全であることは間違いありません。

 

 

ということで、私が思う「熟考が必要な土地」についてまとめてみました。

地盤調査を行う際に、過去の災害歴、地名を含めて調査してくれる会社も増えてきています。

ぜひ、土地の購入前にしっかり調査をしましょう!

 

また、国土交通省のハザードマップはしっかり確認しましょう。
過去の災害が起こったエリアを把握しておくと対策が取れます。

国土交通省 洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ

国土交通省 ハザードマップポータルサイト

 

自然災害の土地リスク調査については

国土交通省の「重ねるハザードマップ」がお薦めです!

国土交通省「重ねるハザードマップ」が凄い!自宅の災害リスクが全てわかります。

 

 

最後にですが、昨今の多発する災害のため、「火災保険料」の値上げが始まっています。

損害保険会社も、想定外の事態が続いているので大変なのだと思います。

とはいえ、万一の際に「火災保険」は自身を助けてくれるので超重要で必須です!

特に、河川の近くに住む場合、低い土地に住む場合は、
火災保険に水災オプションをつけておかれることをお奨めします。

そこそこ保険料が高いので、水災オプションをつけていない方が多いのですが、

床上浸水(地上から45cm以上)が起こった際に助けてくれるのは、火災保険の水災オプションのみです!

西日本豪雨で浸水被害にあわれた方への情報まとめ

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー(家の素人 勉強中)
家を建ててようやく家の基本中の基本を知る。
建築家の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

 

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