家を建てた人にしかわからないことですが・・・・・・
実は家って、
想定していた金額から、かーなり上がっていく
ことが多いのですよね。
目次
初期見積もりから値段が上がっていく理由
理由はシンプルなケースが多いのですが、
・附帯工事費用を考えていなかった
・登記費用のことを考えていなかった
・長期優良住宅等の取得事務費を考えていなかった
・地盤改良の費用を考えていなかった
・契約前に見たモデルハウスの内装をイメージしていたら、オプションだらけだった
・こだわりが多く、オプション工事がどんどん増えていった
というのが一般的かなと思います。
具体的にどのくらい上がるのかといいますと・・・・・・
おそらく、当初の想定より、
少ない人でも最低200万円ぐらい
は上がるのではないかと思います。
もう、なんか、最後の方は金銭感覚が麻痺麻痺になってきます。
あれ?いつの間にこんな金額に・・・解説:契約後にどんどん上がる住宅価格の謎
普段、スーパーで1円の違いに血眼になっているのに、
家の打ち合わせの際には、10万円単位で上がっていくのが普通になっていくのですよね(汗)
これを「心理会計(心の会計)」というそうです。
別名、「感応度逓減性」とも。
100円の商品の5円の違い = 5%
2,000万円の商品の10万円の違い = 0.5%
後者の方が「まぁ、いいか」となってしまうそうです。
100万円アップなんて月々わずか3,000円ですよ!
そんなこんなで、金額はどんどん上がっていくのですが、
どうしようか悩んでいる時に、営業マンの方にこのように言われることがあります。
「100万円アップなんて月々わずか3,000円ですよ!」
そうなんです。
予算をもう100万円アップすれば、あれもできるし、これもできちゃうんです!
一度、上位オプションを頭の中に思い描いてしまうと、なかなか元に戻すことはできません。
でも、せっかく高いお金を出して家を建てるのですから、理想の家に近づけたいですよね。
ところで、
「100万円アップなんて月々わずか3,000円ですよ!」
これは本当なのでしょうか?
固定金利のフラット35で試算
ちょっと計算してみましょう。
わかりやすく固定金利のフラット35で計算してみます。
本日現在(2019年2月)のフラット35(借入期間:21年以上35年以下)の金利(融資率9割以下)
1.310%
この金利を元に計算をしてみます。
(団体信用生命保険の保険料は考慮しません。)
100万円に対する月々の支払額の増加は、
35年間 元利金等払い の場合
月々の返済額は 2,969円
30年間 元利金等払い の場合
月々の返済額は 3,360円
となります。
確かに営業マンの言うとおり、
「100万円アップなんて月々わずか3,000円」
なのですよね。
あぁ、安心♪ 安心♪ あんし・・・ん?
安心かどうかを考えるためには、3つのことを検討する必要があるかと思います。
1.予算から本当はいくら上がったの?
予算から100万円アップでしたら、本当に月々わずか3,000円で、ストレスが減るのでしたら良い買い物なのではないかと思います。
ただし、知らないうちに予算から100万円、200万円と上がっていて、更にその上の100万円でしたら大きな問題です。
仮に、当初の予算から合計で300万円上がっているとすれば、それは月々1万円アップの世界になってきます。
合計で600万円上がっていれば、それは月々2万円アップの世界です。
これが30年、35年と続くのですね。
2.固定資産税と10年後のメンテナンス費の積み立てを計算に入れているの?
計画している時点で、きちんと計算していない人が多いのに驚くのですが、
家を建てると、固定資産税という税金が発生してきます。
家や土地によりますが、新築でしたら、一般的に固定資産税はだいたい年間に20~30万円ぐらいかなと。
(最初の数年は減額されます)
これって、月々1.7~2.5万円の支払いが追加されるということなのですよね。
また、10年単位のメンテナンスは必須です!
特に長期優良住宅の場合、計画通りメンテナンスをしなければ、助成金や優遇された固定資産税の返納もありえます!
月々のメンテナンスに必要な金額を貯めるために必要なお金は、月々1万円と言われます。
だいたい10年毎に100万円強のメンテナンス費用が必要になってくるわけですね。
合計で、月々2.7~3.5万円ぐらい必要ということを覚えて考慮しなければなりません。
3.変動金利の場合、金利変動リスク
先ほどのシミュレーションは固定金利で考えていますが、変動金利を選択している場合、金利変動のリスクを考慮する必要があります。
例えば、金利が1.310%から1.700%になった場合、
100万円に対する月々の支払額は、
35年間 元利金等払い の場合
月々の返済額は 2,969円 → 3,160円(+194円)
30年間 元利金等払い の場合
月々の返済額は 3,360円 → 3,547円(+187円)
と変わります。
なんだ、わずかじゃないか!と思うのですが、
例えば借入金額が3,000万円だったとすると、
全体はこの30倍ですので、
35年間 元利金等払い の場合
+194円×30倍 = +5,820円/月
(= +69,840円/年 = +2,444,400円/35年)
30年間 元利金等払い の場合
+187円×30倍 = +5,610円/月
(= +67,320円/年 = +2,019,600円/30年)
の利息の増加となってきます。
月々5,000円台後半の追加アップは厳しいですよね。
今は低金利ですが、過去はそれなりに金利が高かったのですし、もちろん、今後、金利が上がる可能性はあります。
ということで、
きちんと予算管理をしている場合は、
「100万円アップなんて月々わずか3,000円」
は天使の言葉。
あまり、きちんと考えていない場合は、
「100万円アップなんて月々わずか3,000円」
は悪魔の言葉となります。
大きな買い物の際には、お金の問題は避けて通れません。
一時の感情に流されないように、しっかりと計画を立てていきましょう!
あぁ、それでも、あのオプション欲しい!ってなるのですよね(汗)
こちらのコラムもご参考ください。
あれ?いつの間にこんな金額に・・・解説:契約後にどんどん上がる住宅価格の謎
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
住宅会社・設計事務所の皆さま、「HOUSEリサーチ」の掲載申込み・資料請求はこちらから!