飛行機に乗る際に、リチウム電池(バッテリー)の持ち込みには制限がありますよね。
ANAのホームページによると
リチウム金属電池はリチウム含有量が2g以下のもの、またはリチウムイオン電池(バッテリー)はワット時定格量が100Wh以下のものは機内へお持ち込みできます。
お預けはできません。
リチウムイオン電池(バッテリー)はワット時定格量が100Whを超え160Wh以下のものは2個まで機内持ち込みできます。
お預けはできません。
となっております。
リチウムイオン電池の発火の原因として、強い荷重、強い衝撃により、電池内部がショートすることが挙げられます。
また、熱に弱く、発熱物と一緒だったり、内部に熱がこもってしまうのも危険です。
その結果、発煙・発火、破裂を起こし、出火してしまうのですよね。
太陽光発電とセットで、蓄電池を搭載する住宅も少しずつ増えてきました。
一条工務店さんなどは、標準オプションになってきていますね。
↓こちらのコラムもご参考ください。
蓄電池ってどうなの?太陽光発電との相性は?結論:太陽光パネル+蓄電池はあり!
住宅の災害リスクは、火災と、浸水です。
2021年には蓄電池が原因と考えられる火災(調査中)のため、リチウム蓄電池のリコールが行われました。
消費者庁
消費生活用製品の重大製品事故:リコール製品で火災等(リチウム蓄電池)(10月22日)
火事の原因になるかもしれない蓄電池を設置しても大丈夫なのでしょうか?
今回のコラムでは、蓄電池の安全性について考えてみます。
1.家庭用蓄電池の大半は4800Ah未満、20kWh未満
消防法では、蓄電池の設置の際にはあらかじめ消防署に届け出が必要です。
ただし、4800Ah未満の蓄電池に関しては届け出が必要ありません。
4800AhをkWhに換算すると17.76kWh相当となります。
そのため、多くの家庭では20kWh未満の蓄電池を設置しています。
2.蓄電池の設置場所にはルールがある
蓄電池が万一火災を起こすことを想定して、床材にはルールがあります。
・難燃性の床
延焼しないために必須ですね。
金属製の床も熱がこもりやすいため、台座の上に設置したり、通気性を確保する必要があります。
・耐酸性の床
リチウムイオン電池は希硫酸と水素ガスを発生しやすいため、耐酸性が必要になります。
・直射日光を避ける
蓄電池は、高温状態に弱いので、直射日光が当たらない場所、家屋の北面に設置するのが理想です。
通常、南面はNGです。
・建物との距離
蓄電池を屋外に設置する際には、建築物との距離を3m以上確保しなければなりません。
蓄電池は熱を持ちやすいため、建物と近いと、壁を貫通するパーツが熱を持ち、燃焼する危険性があるためです。
しかし、不燃性素材を使用している機種や、10kW未満の蓄電池の場合は、間隔を空ける決まりはありません。
・水に沈まない場所
蓄電池は電池ですので、当然ながら浸水すると漏電する危険性があります。
そのため、浸水しやすい土地には不向きです。
浸水しない場所を選んだり、漏電ブレーカーの設置が必須となります。
軒を作り、雨よけ、雪よけをすることも大切です。
・騒音が周囲に迷惑をかけないように
蓄電池が充放電を行なうとき、蓄電池から音が発生します。
エアコンの室外機の音量が40db~50dbです。
家庭用蓄電池の音量は35db~40dbです。
エアコンの室外機と同様な対応をしておくと問題ないですね。
3.定期的な点検・メンテナンスが必要
消防法では、蓄電池の点検義務が決められています。
つまり、蓄電池を設置した家庭では、定期的に保守点検して報告を行わなければなりません。
点検には2種類あります。
【機器点検】半年に一度
点検項目は18項目です。
1.設置状況
2.表示
3.自家発電装置
4.始動装置
5.制御装置
6.保護装置
7.計器類
8.燃料容器等
9.冷却水タンク
10.排気筒
11.配管
12.結線接続
13.接地
14.始動性能
15.運転性能
16.停止性能
17.耐震措置
18.予備品等
【総合点検】一年に一度
総合点検は7項目です。
1.接地抵抗
2.絶縁抵抗
3.自家発電装置の接続部
4.始動装置
5.保護装置
6.負荷運転または内部観察等
7.切替性能
家庭用蓄電池の寿命は15~20年と言われています。
(メーカー保証は10~15年です。)
長く、安全に使い続けるためにも、しっかりと点検をしていきましょう。
ということで、家庭用蓄電池の安全性についてまとめてみました。
設置から点検まで理解して、安全に利用していきましょう!
↓こちらの記事もご参考ください。
「日産リーフe+」のキャンペーンから、災害時の太陽光発電のあり方を見直してみましょう!
家庭用蓄電池の容量が20kWh未満ですので、日産リーフの蓄電池の容量って凄いのだなぁと改めて思います。
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
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