注文住宅の値段(見積もり)って、どうやって決まっていますか?
一般的には、坪○円という値段(見積もり)が多いように思います。
これ、不思議じゃないですか?
本来であれば、使用する木材、窓、屋根、外壁、住宅設備、人件費、その他を積み重ねていって、見積もりが決まるはずですよね?
たとえば、柱の数が1本違うだけでも、料金は変わってくるはずです。
同じ延床面積でも、家の形が違えば、外壁の面積が変わってくるので、料金は変わってくるはずです。
それでは、坪○円って、いったい、どういう根拠なのでしょうか?
今回のコラムは、そんな坪○円の仕組みについてです。
アキュラホームさんが提供する
住宅建設合理化システム「アキュラシステム」
という仕組みがあります。
・家づくりにおける、約20,000項目をデータベース化
・自ら実践・検証した合理化ノウハウやコストダウン技術
簡単に言いますと
・これまでに建ててきた家を、釘・ネジ1本に至るまで調査し、データベース化
・そのデータベースを元に、標準的な住宅に必要な、建築部材の数と単価を算出
・共通住宅設備を標準化し、住宅を商品化
・一定の数を大量発注することで、メーカーと交渉し、建築部材の価格を抑える(JAHBnetというネットワーク)
ことにより、
坪○円で計算でき、安くて良い家を建てることができる
という訳です。
この「アキュラシステム」を導入した工務店が、2007年時点で2500社、2012年時点で約2300社もありました。
現在は、全国約2400社とのことです。
すごいネットワークです!
この仕組みがベースとなって、全国の住宅会社が同じようなノウハウを持ち、坪○円という仕組みができ、現在に至っているのですよね。
必要な建築部材を積算で計算していくのは本当に大変です。
この仕組みで概算計算されたものが、ほぼ間違いない計算でしたら、住宅会社も楽ですし、見積もりにかかる時間も短くなりますので、施主さんにとってもメリットですよね。
本当に素晴らしい仕組みだと思います。
さて、この坪○万円の仕組みが主流となり、住宅が「○○の家」などの名前をつけたパッケージ商品となり、安くて良い家が建つようになりました。
その反面、こだわりの家を作りたい施主さんにとっては、違う不満が出てきます。
あえて「デメリット」について解説してみたいと思います。
例えば
「システムキッチン」を違うものにしたい!
というご要望がある場合。
パッケージに入っている商品は、一定数を使用することでメーカーから大きな値引きを行っています。
施主さんが希望するシステムキッチンは、単体発注となりますので大きな値引きがないため、当然ながら料金が上がります。
また、住宅会社の契約によっては、1棟建てる度に、使用しようと使用しなかろうと、メーカーにお金を支払わなければならないことも。
この場合は、パッケージ以外の商品を使用するとなると、パッケージ分のシステムキッチン分の料金を下げることができない上に、さらに希望するシステムキッチンの料金を支払わなければならない、という事態に。
つまり、かなり高くなってくるのですよね。
例えば
パッケージでは窓が○個あるけど、うちは1個いらない
というご要望がある場合。
この場合、本来でしたら、窓1個分の料金がいらなくなるはずなのですが、住宅会社としては、メーカーに1棟あたり○円支払うという契約となっていますので、値引きをすることができません。
この2つのパターンが、「デメリット」となる要因、施主さんの不満の要因となるのだと思います。
坪○万円という仕組み、パッケージ化された商品名のついた住宅、というのは、このコラムに書かれたような取り組みや努力の上でできている、ということを知っているだけで、打ち合わせの際の「住宅ルール」の理解に繋がるのではないかと思います。
A. 坪○万円という仕組みで家を建てる
B. 積算方法で家を建てる
どちらが良い悪いということはありません。
それぞれに、メリットとデメリットがあるともいえます。
無知は損の元、無知はトラブルの元、とも言えます。
しっかり仕組みを理解した上で、コストを考えながら、良い家を建ててくださいね!
一緒にこちらのコラムもご参照ください。
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家の見積もり、少しでも安くしたい!・・・金額調整と値引きの違いを知ろう!
あれ?いつの間にこんな金額に・・・解説:契約後にどんどん上がる住宅価格の謎
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
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