家を建てたい人のための情報マガジン

先日、基礎工事業をされている会社(以下、基礎屋さん)のお話を聞いてきました!

 

「基礎」って、もちろんご存知ですよね。

家を支える、大切な土台です。

鉄筋コンクリートで造ることが、建築基準法で定められています。

「そんなの当たり前でしょ!」

と思われるかもしれませんが、大昔の家は「石」を基礎に使っていました。

今でも、ウッドデッキプレハブ倉庫なんかでは、基礎に「基礎石」「コンクリートブロック」を使うことが多いですよね。

 

さて、ご存知かとは思いますが、

基礎には2種類の方法あります。

 

・布基礎(ぬのきそ)

大手ハウスメーカーは、基本的には布基礎が標準です。
地盤が強い場合は、布基礎が基本になります。
メリットとしては、地盤に与える負荷が小さく、ベタ基礎に比べてコストもかなり安くなります。
デメリットとしては、埋め戻しや、防湿土間コンクリート施工のために、少し工期が延びます。
ちなみに、「布」というのは「平らに伸びる」という意味だそうです。

 

・ベタ基礎(べたきそ)

最近、標準で採用されている住宅会社(工務店)が増えてきています。
メリットは、地盤があまり強くなくても、面で支えることができるということ。
地震に対する歪みも少なく、シロアリ対策にもなります。
デメリットとしては、背筋量、コンクリート量が多くなるため、コストがかなり高くなること。
そして、面で負荷をかけるため、地盤への負荷が布基礎よりも大きくなります。
ちなみに、「ベタ」というのは「平ら」という意味だそうです。

お話を聞いた基礎屋さんによると、どちらが良い悪いではなく、地盤に見合った基礎をつくるのが良いとのこと。

地盤が弱くても、コストをかけて「地盤改良」を行った場合は、実は布基礎で良いのだとか。

 

さて、ここで裏話なのですが、

家を建てる「施主」側としては、
自分たちで「基礎工事会社」を選ぶことはできません。

だいたいは、ハウスメーカーや住宅会社(工務店)にお任せですよね。

 

基礎工事会社は、本来は「建設業」の許可を得なければならないのですが、
「軽微な建設工事」の場合は、建築業の許可を受けずに工事が可能とのことです。

「軽微」とは何?ということは、国土交通省のホームページに書いてあります。

建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの

建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

 

お話を聞いた基礎屋さんによると、

世の中の基礎の半分くらいは「建設業」の許可を得ていない会社によって基礎工事をされている

そうです。

うーん、なるほどです。

許可を得ていない会社の工事の質が悪いわけではありませんが、施主側としては、やはり「建設業」の許可を受けている基礎工事会社に施工していただきたいですよね。

 

ところで、基礎工事の質とは何なのでしょうか?

簡潔に言えば、基礎のコンクリートがひび割れずに、長い間、家をしっかり支えてくれることですよね。

基礎が弱くなるのは、ひび割れ(クラック)が発生するのが原因です。

お話を聞いた基礎屋さんによると、基礎のコンクリートがひび割れる(クラック)原因は大きく3つある とのこと。

1.基礎地盤沈下

2.生コンへの加水

3.建物の応力と基礎の使用のミスマッチ

とのこと。

※「応力」というのは、住宅などに、風圧、水圧、地震などのなどの外部の力が加わったときに、それに抵抗する内部の力

 

2.生コンへの加水をされている基礎工事会社が、けっこう多いのだとか。

理由は流動性を高めるためなのですが、規定以上の加水は、コンクリートの強度を大きく下げてしまうとのことです。

 

また、コンクリート打設の後は、表面を伸縮性のある化粧モルタル剤でコーティングするため、表面がきれいなままのため、実は、内部のクラックがわかりにくくなることもあるのだとか。

このあたり、施主側ではわからないですよね(汗)

 

基礎に問題(瑕疵)があった際には、住宅瑕疵担保履行法で、瑕疵担保責任保険が10年間保証してくれます。

万一、基礎に問題(瑕疵)が発生した場合は、すぐに連絡ですね。

 

ちなみに、このページを読んでいて驚いたのですが、

>「新築住宅」とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもので、かつ、新築されてから1年以内のものをいいます。
>建売住宅等で新築後1年以上売れ残ったものや中古住宅は対象ではありません。

とのこと。

お買い得になっている建売住宅を購入する際には、建てられてから1年以内かどうかの確認が必要です。

 

ということで、基礎についての表話、裏話、いろいろと勉強になりました。

基礎って、あっという間に見えなくなってしまいますし、化粧された状態で見ても、素人の施主側には何もわかりません。

だからこそ、「基礎工事ってどこの会社に依頼しているのですか?」と聞いてみるのも一つの方法です。

建物は、後からでもなんとかなりますが、基礎だけは後から修正するのは大変です。

ぜひ、しっかり意見交換して、情報収集して、良い家のために、良い基礎を作ってもらってくださいね。

 

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

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