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中東情勢による住宅業界への影響

現在、ニュースでも連日のように報じられている中東情勢の緊迫化。
遠い国の出来事のように感じられますが、イエカウで扱う「新築注文住宅」をはじめとして住宅業界大きな影響を及ぼし始めています。
その話題の中心になるのが「ナフサ」です。

 

ナフサとは

ナフサは、原油を精製する過程で得られる軽質の石油製品です。
しかし、燃料として直接使われることはなく、その真価は石油化学工業における基礎原料として発揮され
石油化学工場で熱分解されることで、エチレン、プロピレン、ブタジエンといった基礎化学品に姿を変えます。
これらがさらに加工されてプラスチック、合成繊維、合成ゴム、塗料、接着剤など、数えきれないほどの素材の出発点となります。
このため、ナフサは、私たちの生活や産業を根底から支える不可欠な存在となっています。

ナフサと住宅

特に住宅においては、ナフサ由来の資材が広範囲にわたって使用されています。
例えば、住宅の断熱材(ポリスチレン系)や、水道管などに使われる塩化ビニル配管(PVC)、
外壁を保護する塗料やコーキング材、塗料を薄めるシンナー類、
給湯器やエアコンなどの住宅設備を構成する樹脂部品(ポリプロピレン、ABSなど)
ビニールクロスや樹脂サッシ、各種接着剤もナフサを原料としており、住宅の内部から外部まで、ナフサなしでは成り立たないと言っても過言ではありません。

ナフサ不足による影響

石油を主に中東からの輸入に頼らざるを得ない日本にとっては、昨今の中東情勢によりこの「ナフサ」が不足しているのです。
ナフサ不足により、原料の高騰、供給の停止といった事象が発生しています。

TOTOユニットバスの受注中止
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC132F10T10C26A4000000/
2026年4月13日

田島ルーフィング株式会社
ルーフィング剤 シェア1位
https://tajima.jp/corporate/news/20260410_03/
2026年4月10日(金)17:30以降の全ての新規受注を停止

オート化学工業株式会社
シーリング剤 シェア1位
https://autochem.co.jp/19328/
2026年4月9日より当面の間、供給制限

ナフサ不足による価格高騰

窓サッシを手掛けるYKKAPの堀秀充会長は「原材料の調達は2〜3カ月分問題ない」としたうえで、既に表明している5月受注分からの値上げに続き「次の価格(改定)も考えざるを得ない」と話す。
カネカも4月から住宅用断熱材の価格を40%引き上げた。
このほか積水化学工業が塩化ビニール管などの値上げを明らかにした。塗料でも日本ペイントが希釈剤として使われるシンナー製品全般の値上げに踏み切るなど住宅関連の材料で価格改定が相次ぐ。
大東建託は住宅資材の調達コストが今後15〜20%上昇すると予測している。このまま中東情勢が収束に向かわなければ住宅価格は資材費の高騰分だけでさらに1割程度押し上げられる計算になる。
塗装関連商品で5月中旬ごろから欠品が生じそうな状況」(三井ホーム)との声も上がっている。
多くの建材に使われるナフサの供給がこれからも滞れば、住宅業界への影響がさらに深刻になる恐れもある。

今後の見通し

今後の見通しとしては、中東情勢の推移が不透明であるため、影響が長期化する可能性があります。
政府は石油備蓄の放出や代替調達を進めていますが、医療分野への供給が優先される傾向にあるため、住宅向け建材や一般プラスチック製品は相対的に後回しになる可能性が高いとされています。
このため、新築住宅の建築費は総額で数百万円単位で上昇する可能性があり、住宅購入を検討している方にとっては、予算オーバーやグレードダウンを迫られるケースが増加するとみられています。
また、新築価格の高止まりが続けば、中古住宅やリフォームへのシフトが加速する可能性も指摘されています。

イエカウ BY HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

イエカウ BY HOUSEリサーチ

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

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