今日のコラムは雑談です。気軽に読んでくださいね。
ただの数字あそびです。
途中、ものすごくマニアックですので、結果だけ知りたい方は「7.」だけ読んでください!
「持ち家 と 賃貸 どちらがお得?!」
という記事を、雑誌でも、ネットでも、Youtubeでも見かけます。
毎年、毎年、何度も何度もこの内容は取り上げられますが、結論からいえば、答えはありません。
持ち家派は家を建てれば良いですし、
賃貸派は賃貸に住み続ければ良いだけです。
なーんて言うと、全く面白くありませんので、今回は「投資」目線で考えてみる企画です。
あなたが「戸建て不動産オーナー」になり、あなたという「賃貸人」に借りてもらった場合、不動産「投資」として旨味はあるのかどうか?という内容です。
儲かりまっか?!(笑)
ということでスタートです!
目次
1.まずは賃貸のメリットとデメリットをおさらい
【賃貸のメリット】
・転居が自由、住所や家賃に縛られない
・家賃のみを払えばよい
・固定資産税を払わなくてよい
・家財のみなので、火災保険が圧倒的に安い(年5万円→年5千円)
・修繕費を払わなくてよい
【賃貸のデメリット】
・毎月家賃が発生する
・いつまでも自分のもの(資産)にはならない
・リフォーム、リノベーションができない
という感じでしょうか。
続いて
2.持ち家のメリットとデメリットをおさらい
この反対を考えると、持ち家のメリットとデメリットになりますね。
【持ち家のメリット】
・住宅ローンを完済すれば家賃が必要ない
・毎年、少しずつ自分のもの(資産)になる
・リフォーム、リノベーションが自由にできる
【持ち家のデメリット】
・住宅ローンの完済まで、住む場所に縛られる
・住宅ローンの完済まで、住宅ローンを支払わなければならない
・毎年、固定資産税を支払わなければならない
・高額な火災保険・地震保険に入らなければならない(住宅ローンの担保の一つ)
・不具合が発生すると修繕費が必要
という感じになりますね。
3.戸建て不動産オーナー目線で考えてみよう
それでは、あなたという「戸建て不動産オーナー」が、あなたという「賃借人」に貸して、賃貸投資をするという目線で考えてみましょう。
不動産投資の基本方程式は次の2つ
年間売上 ÷ 投資金額 × 100 = 利回り(%)
100 ÷ 利回り(%) = 回収年数
つまり、何年貸し続けることができると投資金額を回収できるのか?
ということを考えていかないといけません。
実は、住宅ローンの場合は、この計算は簡単です。
投資金額 = 借り入れ金額+利息
ですので
例えば、35年で住宅ローンを組んでいたとすると
回収年数 = 35年
となります。
利息1%(元利均等)で3,500万円を35年で借り入れるとすると
100 ÷ 利回り(%) = 回収年数
ですので
利回り(%) = 100 ÷ 35年 = 2.86%
となります。
この利回りは、住宅ローン完済前提ですので、住宅ローンの利息込みの利回り、実質利回りです。
投資金額 = 借り入れ金額+利息
仮に利息を1%(固定)とすると、借入3500万円に対して、元利均等払いの35年間の利息が6,459,820円となりますので、
投資金額 = 41,495,820円
となります。
※こちらで計算しました。
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp#result
実質利回りが2.86%の場合
借入金額3,500万円に対する表面利回りは3.39%となります。
実質利回り 2.86%
表面利回り 3.39%
うーん、不動産投資として考えると、利回りが低いですね(汗)
4.家賃と住宅ローン支払額の比較について
借入額3500万円、借入35年、利息1%(固定)とした場合
月々の返済額は98,799円!(利息込み・ボーナス払いなし)
仮に賃貸時の家賃が月額80,000円とすると
80,000円(賃貸)-98,799円(住宅ローン)=▲18,799円
マイナス差額は月額18,799円、年額225,588円となります。
住宅ローン期間の35年で考えると、なんと▲7,895,580円!
住宅ローン完済時に、賃貸と比べると、約790万円のコストが発生してしまいます。
5.その他の費用も考えてみよう
持ち家の場合、住宅を維持するための様々な費用がかかります。
(※今回、家を建てるための初期費用はオール無視です)
住宅ローン完済までの35年間にかかる費用として
固定資産税 35年間(35回)
火災保険 10年目、20年目、30年目(3回)
地震保険 5年目、10年目、15年目、20年目、25年目、30年目、35年目(7回)
外壁塗装 10年目、20年目、30年目(3回)
屋根塗装 10年目、20年目、30年目(3回)
ベランダFRP塗装 10年目、20年目、30年目(3回)
で考えてみます。
固定資産税
10万円×35回=350万円
火災保険
30万円×3回=90万円
地震保険
5万円×7回=35万円
塗装全般
100万円×3回=300万円
合計
350万円+90万円+35万円+300万円=775万円
(※価格はかなりアバウトです。)
35年間の維持費用で▲775万円のコストが発生してしまいます。
6.家の売却価格を考えてみよう
住宅ローンが完済した35年後以降に家を売却するとしましょう。
建築時の借入3,500万円の内訳を、土地1,000万円、建物2,500万円とします。
土地の価値は同じだとします。
建物の価値が1/4ぐらいに設定します。
売却価格は 土地1,000万円+建物650万円=1,650万円
このあたりだと妥当性があるかなと思います。
7.さて、持ち家の投資結果はどうなったでしょうか?
収益=売却額のみとなりますので
収益 1,650万円
コスト=家賃との差額+維持費用となりますので
コスト 790万円+775万円=1,565万円
損益 1,650万円-1,565万円=85万円
今回の超大雑把なシミュレーションでは、持ち家では85万円のプラス収益となりました!
35年間で85万円ということは、1年間では2.4万円の収益ですね。
今回の結果から言えることは
「持ち家でも賃貸でも、どちらも損得はない!」
という結論でしょうか。
正確な計算をすると、コストは上下すると思いますが
「気に入った家で、子育てをして、楽しい思い出で、35年間暮らす」
という無形資産を考えると、持ち家の方が良いのかな、というのが私いっしーの感想です。
ということで
「持ち家 と 賃貸 どちらがお得?!」
という永遠の問題に対して、不動産「投資」目線で考えてみました。
ものすごく超大雑把に計算していますので、ツッコミどころは満載ですが、その点はお許しを。
あくまで、ただの数字あそびです。
逆に言えば、このぐらいの計算で、超大雑把なシミュレーションができますので、ぜひ、自分のケースについて、頭の体操として遊んでいただければ幸いです。
素敵な家を建てて、
素敵な時間を過ごして、
素敵な思い出をつくりましょう!
こちらのコラムもご参考ください。
家賃がもったいないから家を買おう!という方。ちょっと読んでみてくださいね。
いっしー(家の素人 勉強中)
家を建ててようやく家の基本中の基本を知る。
建築家の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
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