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新電力のメリットとデメリット!なんと、大手電力会社に聞いてみました!

「電気代の削減が〇%できますよ!」

「うちの電気は大手の〇〇電力から供給されているので安心です!」

「新電力に切り替えると、スマートメーターを無料でお付けします!」

といった新電力の営業トークを聞いたことがありませんか?

 

電気代が安くなるのなら!と切り替えられた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、新電力のトラブルもいろいろと耳に入ってくることも。

 

新電力会社は、全国になんと600社以上!

うち、100社程度が大手の新電力と言われています。

 

対して、大手電力会社は10社。

東京電力、関西電力、中部電力、東北電力、九州電力、中国電力、四国電力、北海道電力、北陸電力、沖縄電力

 

実は、大手電力会社は、新電力会社にじわじわとシェアを奪われ始めている状況。

これまでは、大手電力会社との契約が当たり前だったのですが、今は新電力会社から電気を買える時代。

すなわち、大手電力会社の契約は削られ続けるしかないわけなのですね。

 

では、やっぱり、新電力会社と契約した方がお得なの?

 

今回は、新電力のメリットとデメリットについて書いていきます。

情報ソースは、なんと大手電力会社!

漠然としていた新電力の疑問はもちろん、新電力に顧客を奪われている大手電力会社の悩みやお願いも、しっかりと聞いてきました。

 

1. スマートメーターを無料でお付けします!は正しいけどウソ。

「新電力に切り替えると、スマートメーターを無料でお付けします!」

という新電力の営業トーク。

これは、正しくもあり、ウソでもあります。

 

スマートメーターとは、検針員の訪問なしに、細かく電気の使用量が把握できるメーターです。

1時間単位の電気使用量を知ることができます。

家電との連携もできますので、どの家電が、どの位の電気を使用しているのかの把握も可能です。(実際は更にHEMSが必要)

 

確かに、新電力に変更するためには、スマートメーターの設置が必要です。

ただ、このスマートメーター、2024年までに100%普及となることが目標とされており、新電力に変更してもしなくても、自動的にスマートメーターに交換されていきます。

現在、建てられている家は、すべてスマートメーターが設置されている状況です。

 

2. 新電力って、本当に安いの?

新電力会社は、電気のオークション市場で電気を調達します。

大手電力会社は、原子力発電や、火力発電、水力発電等の巨大な発電設備を建築し、その運用のための人やコストをかけていく必要があります。

大手電力会社の電気量には、そのコストもかかっています。

 

新電力会社は、発電設備を持っていませんし、運用コストもかかりません。

オークション市場で電気を調達するため、大きな固定コストが必要ないため、安い電気を調達できると言われています。

では、電気代がかなり安くなるのか?

と言われると、一概にそうとも言えない事情があります。

それは、後ほど。

 

3. そもそも、電気のオークション市場の電気って、誰が売っているの?

様々な電力会社が電気の売主になれますが、そうは言っても「発電施設」を持っているのは大手電力会社のみ。

すなわち、大手電力会社が作った電気が売られているということになるのですね。

そうなると、次の疑問が生まれます。

「えっ、新電力会社が転売して儲かるほど、大手電力会社は安い料金で電気を売っているの?」

「えっ、それじゃあ、私たちはかなり高い料金で電気を買わされているってこと?」

実は、そうとも言えるし、そうでないとも言えるのですよね。

こちらも、後ほど。

 

4. 太陽光発電って、どのくらいの電気量があるの?

各家庭の屋根に乗っている太陽光発電装置、あちこちに空き地や山が電気畑と変わった太陽光発電装置。

その量はすさまじく、全国で、すでに原発数基分もの発電能力があると言われています。

 

ただし、なのですが、

太陽光発電はその能力を100%発揮することはできません。

夜は発電できませんし、曇りの日は雨の日も発電できません。

太陽光パネルと太陽の角度が90度で最大効率ですが、角度が変わると発電効率が大きく下がります。

年々、商品の質が上がって効率が上がっているそうですが、

実質的な発電効率は13~14%というのが現状です。

あら、思ったより非効率でエコじゃないのですね(汗)

そして、この太陽光発電は、先にも記載した通り、晴天の昼間しか発電できませんので、24時間365日、世の中を支えることはできないのですよね。

 

5. 電気のオークション市場での仕入れ料金って、いくらなの?

電気の仕入れ料金は、季節や時間帯によって違ってきます。

実は省エネ政策のおかげで、日本人の電力消費量は年々下がってきています。

特に電気を使わないのは、なんと夏の日中なのだとか。

エアコンをガンガンかけているので驚きです。

夏の日中は、太陽光発電も最高値です。

すなわち、

太陽光発電を設置しているご家庭では、自家消費して電気を全く使いません。

 

そのため、夏の日中は「超電気余り」が発生します。

その時間帯の、電気のオークション市場での電気仕入れ価格は、

1銭/kWh

になることもあるのだとか。

えっ?1銭?

1銭って、10円の10分の1ですよね、たしか。

それならば、新電力は儲かって仕方ないですよね!

と思うのですが、いくら安く仕入れても、買ってくれる先がないのですよね。

 

逆に、夜の時間帯だと、電気のオークション市場での電気仕入れ価格は、

100円/kWh

になることも。

えっ?1000倍?

この理由も後ほど。

(2021年1月13日には一時、251円/kWhまで高騰)
(2021年1月15日、経済産業省がインバランス料金の上限を200円/kWhとすることを発表)
(最終的に、2021年1月の月間平均価格は66.91円/kWh)

 

つまり、新電力会社は安く電気を仕入れできるので、お客様のために安く販売していたら、仕入れ価格が高騰して大赤字になることもある訳なのです。

既に、これが原因で倒産した新電力会社も多数あります。

そのため、新電力会社も、安く電気を売るのにも限界があるのですよね。

これが、2.3.の回答です。

 

6.大手電力会社の矛盾 その1 発電設備

5.にも記載した通り、夏の日中なんか電気が余りまくっているわけですね。

それでも大手電力会社は発電を続けなければならない。

作りすぎた電気はどうなるのか?というと、

地面に捨てられる

そうなんです。

 

でも、電気を捨てても、発電設備の燃料費(原発が止まっているので火力発電)や維持費や減価償却費(建設費の分割分)や人件費は必要なわけでして。

だから、捨てるぐらいなら、電気のオークション市場に卸してしまおう!

という、大手電力会社は自らの首を絞めてしまうような、矛盾した行動を起こしている訳なのです。

 

また、もう一つ。

発電設備を無駄に使うぐらいなら、止めてしまって、電気のオークション市場から購入してしまおう!

という動きが、大手電力会社にもあるのです。

実際に止めてしまうと、夜間等の供給量が減り、電気が高くなってしまい、

5.に登場した、100円/kWh なんてことになるわけです。

 

新しい発電設備を建設しても、元が回収できないので建設に消極的になります。

その結果、なんと、国が助成金を出して、発電設備を建設してもらおうとしているそうです。

もう、何がなんだかの世界です。

 

7.大手電力会社の矛盾 その2 新電力の電力供給元で強いのは?

以上の点から、新電力会社は、

いかに安定して安い料金で電気を仕入れ続けることができるのか?

ということが重要になってきます。

これができなければ、経営は傾くしかありません。

 

とは、いうもののの、電気の仕入れ先は、太陽光発電等で自分たちで発電(昼間のみ)するか、電気のオークション市場で仕入れるか、の2択しかありません。

では、第3の「強力な仕入れ先」があるとすれば・・・

この新電力会社は、最強になりますよね!

 

その「強力な仕入れ先」とは、

そう、大手電力会社なのです!

つまりですね、

大手電力会社が、子会社として、新電力会社を設立すれば無敵な訳です。

 

実際に、

東京電力 → テプコカスタマーサービス

関西電力 → 中央電力

を2大勢力として、

中部電力、東北電力、中国電力、九州電力が、子会社として新電力会社を持っています。

なんと、大手電力会社10社のうち、6社が新電力会社を持っているのですよね。

 

他社グループにお客を取られるぐらいなら、自分たちのグループに!

というのが理由なのですが、もはや、タコが自分の足を食べているようなものです。

本当に日本は不思議な国です。

 


 

ということで、長々と新電力に関するうんちくを書いてきましたが、最初のテーマに戻ります。

 

新電力のメリット

・料金が安くなることもある(単純比較ができない仕組みになっています)

・大手電力会社が母体の場合は、不安なく電気を利用できる(できれば親会社の大手電力会社で契約してほしい)

新電力のデメリット

・違約金が発生する契約期間がある

・電話営業、飛び込み営業等で契約した場合、切り替え後、担当者や代理店に連絡が取れなくなることがある

・問い合わせで、電話番号が見つからないことが多い(Q&Aやフォーム問い合わせ)

・エネルギーの状況によっては、電気料金が大幅に上がることがある

・経営基盤や仕入れ力が弱い会社は、倒産して、再び、別の会社で契約をし直さなければならないことも

 

大手電力会社と新電力会社、どちらを選ぶのかは自由です。

後々、どちらへの切り替えも可能です。(新電力の場合、違約金が必要な場合も)

 

個人的には、2~3年、大手電力会社で契約をして、年間の電気の使用量を「時間単位」で把握してから、新電力を検討されることをお薦めします!

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

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