家を建てたい人のための情報マガジン

最近、最適な空調について考えることにはまっています。

空調問題って、本当に難しいし、奥が深い!

 

高気密・高断熱・24時間換気が標準となってきましたが、これ、一概に良いともいえないのですよね。

きちんとした付き合い方を学んでいく必要があるなぁ、と感じています。

 

今回、なかなかマニアックですので、興味のある方のみ読んでくださいね。

 

以前にも記載しましたが、

換気については大きく分けると3種類あります。

第1種換気・・・給気も排気も機械換気にて行います。
(熱交換式を併用すると、空気の温度が変化しにくくなります。)

第2種換気・・・給気は機械換気、排気は自然換気で行います。
(住宅ではほとんど使われません。)

第3種換気・・・給気は自然換気、排気は機械換気で行います。
(いわゆる、普通の換気扇です。)

我が家の「夏」のエアコン対策。結論出ました!

 

先日、雑誌で、第2種換気を促進する住宅会社を見ましたが、基本的には第1種または第3種となります。

最近は、第1種と第3種の組み合わせの機械も出てきているようです。
(室内と外気の温度を検知して、切り替えるようです。)

 

まぁ、このあたりですが、

家を建て終わるまで、何言っているのか全くわからない!

のが基本ですので、興味のない方は軽く読み流してください(笑)

いやいや、家が建ったあとでも、何言っているのか全くわからないケースも多いです。

 

さて、ここからがマニアックです。

 

最近、「エアコン1台(または2台)で空調がまかなえる!」という家が増えてきております。

わかりやすいもので言えば、桧屋住宅さんのZ空調なんかがそうですね。

個人的に、斎藤工さんのCMがツボに入っています♪

1ヶ所で空調して、それを各部屋に送り込んでいくシステムです。

このZ空調システムを取り入れている住宅会社さんもあります。単体でも販売されているのですね。

 

一条工務店さんの24時間換気システムであるロスガード90は、熱交換により、室外と室内の温度を交換して、エアコン

ロスを抑えましょう、というシステムですね。

出て行った空気の温度を、約90%も回収して、部屋に取り入れます。

熱交換システムは、熱損失が少ないのが特徴です。

 

高気密高断熱の家では、営業マンの説明をお借りすると、

「魔法瓶のような家」

ということ。

冷やすと冷たさが持続、暖めると暖かさが持続する、という理論です。

だから、エアコンの電気代があまり必要ないですよ♪ という説明だったような。

 

私も、その言葉を、そのまま信じていたのですが・・・

 

基本的に、今の高気密高断熱の家には、24時間換気が必須です。

24時間換気は、2時間で家の中の空気をすべて入れ替える!という仕組みになっています。

すなわち

2時間経ったら、家の中の空気は、外の空気とすべて入れ替わってしまう訳ですね(汗)

 

朝、仕事に行って、夕方帰ってくるまでに10時間ぐらいかかるとすると、

その間に、家の空気は5回転している訳です。

魔法瓶も何も関係ありません。もはや外気そのものです。

 

先ほどのロスガード90のように、熱交換システムがある場合、熱量を交換して空気の入れ替えが行われますので、通常の換気よりは熱量は保たれる仕組みになっています。

ちなみに、ロスガード90は、理論値では熱量を90%交換してくれます。

10時間外出、1日5回転の空気の入れ替えで考えると、

0.9×0.9×0.9×0.9×0.9=0.59=約60%の熱量を保持

ということで、理論値でも40%の熱量は行き来しますので、やはり暑くもなりますし、寒くもなります。

 

すなわち、

高気密高断熱&24時間換気は「エアコンありき!」

の上に成り立っている、ということなります。

 

また、各社、空調システムの構成が違いますし、エアコンの配置場所でも効果が変わってきます。

その他にも、あれやこれやと、家の空調に関する要件はあります。

 

これ、建ててしまってからでは、変更はできないのですよね(汗)

 

ということで、家を建てる際に、いや、家を建てる前に、空調の勉強をしておくことは大切だと思うわけです。

 

私が思う、空調に関して検討するポイントは以下の通りです。

 

・第1種換気なのか第3種換気なのか。

・空気の室内の入口は1ヶ所なのか、各部屋なのか。

・空気の室内の出口は1ヶ所なのか、各部屋なのか。

・廊下階段なのか、リビング階段なのか。

・吹き抜けはあるのか、ないのか。

・窓はどのようなものを選択をしているのか。

 

上記の内容は、単体で考えるのではなく、複合で考える必要があるので難しいのです。

 

・第1種換気なのか第3種換気なのか。

これは性格に言えば、第1種の「熱交換」方式なのか、いわゆる第3種の換気扇方式なのか、ということ。

熱交換方式の場合、失われる熱量が少なくなりますので、エアコン効率は高まります。

ただし、「熱交換」は上手に使わないと、逆にもったいないことになることも。

例えば、夏の夜に、家の中は28℃、家の外は26℃だったとします。

この場合、第3種換気であれば、家の中に26℃の空気が流れてきますので涼しくなりますが、熱交換の場合、わざわざ28℃に熱せられた空気が入ってくることになります。

その空気を、また、エアコンで冷やすという非効率な事態も発生します。

熱交換は「空気の出口」になる場所の温度が重要となりますので、空気の流れを計算する必要があります。

 

・空気の室内の入口(吸気)は1ヶ所なのか、各部屋なのか。

室外から入ってきた空気が、各部屋に吹き込むようになっているのか、
廊下等の1ヶ所に吹き込み、各部屋には自然に入り込むようになっているのか。
(後者は各部屋に空気の出口があります。)

・空気の室内の出口(排気)は1ヶ所なのか、各部屋なのか。

室内の空気が、各部屋から出て行くのか、
それとも、廊下等の1ヶ所から出ていくのか。

だいたい、空気の出入口は、

入口 1 出口 各部屋
入口 各部屋 出口 1
入口 各部屋 出口 各部屋

のいずれかのタイプになるかと思います。

出口が各部屋の場合には、埃が溜りにくいというメリットもあります。

入口が各部屋の場合には、エアコンの場所をどこに設置するのかにより、エアコン効率が大きく変わってきます。
全館空調の場合はメリットが大きいですが、各部屋単位でエアコンをかける場合はデメリットにもなります。

 

・廊下階段なのか、リビング階段なのか。
・吹き抜けはあるのか、ないのか。

先の空気の出入に関しては、階段、吹き抜けとの関係も超重要となってきます。

リビング階段と吹き抜けは、常に1階と2階を開放的に繋ぐもの。

冷たい空気は2階から1階に、熱い空気は1階から2階に上がります。

夏は2階が暑く、冬は1階が寒い、という状況を生みやすくなりますね。

 

廊下階段の場合は、各部屋のドアを閉め切った上で、各部屋単位でエアコンをかけることができます。

エアコンの台数は必要となりますが、一定面積のみを空調しますので、効率的です。

 

逆に、全館空調を行う場合は、吹き抜けがあった方が行いやすい、という現状もあります。
シーリングファンは必須となってきますが、少ないエアコンで全館空調を行うためには必須のアイテムです。

吹き抜けのない、リビング階段のみの場合は、1階と2階の空気の移動場所が限られているため、全館空調にはなかなか頭を使います。

特に冬は2階の廊下部分をしっかり暖めておかないと、階段から冷気がどんどん降りてくる、という状況にもなりかねません。

なのですが、1階に床暖房を設置している場合は、効果は逆になります。

ある程度1階を暖めている状態で、リビング階段から暖かい空気が2階に上がっていきますので、2階のエアコンは効率的になります。

 

・窓はどのようなものを選択をしているのか。

窓に関しては、以前に解説していますので、こちらをご覧くださいね。

重要なのは複層ガラスとサッシです!

 

もちろん、カーテンは効果的!
地味な効果ですが、夏も冬も外出の際にはカーテンを閉めることをお奨めします!

ハニカムシェードも最近、人気ですが、上手に使わないと結露が発生しますので注意です!
ハニカムシェードは完全に閉めずに、下5~10cmは空けて利用しましょう!

グラムスタイル ハニカムシェード

 

 

ということで、ダラダラ長文となってしまいましたが、結論は、

空調問題って、超難しい!

ということで、家を建てる方も、建てた方も、しっかり考えて取り組んでいきましょう!

 

そして、最後に!

外気の取り入れ口に設置される、虫取りフィルター

これが「どこに設置されるのか?」ということも大切です。

屋内?屋外?

フィルター交換は、なかなかホラーな世界ですので、こちらも注意してみてくださいね。

 

 

【追伸】

床冷房、すごいらしいです。

→ デシカント空調(換気)ってご存知でしょうか?

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 

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