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住宅ローン減税制度の「正しい」使い方 ~住宅ローン地獄にならないために~




これから家を建てる皆さんも、既に家を建てて10年(13年)以内の皆さんも、

住宅ローン減税制度をちゃんと理解していますか??

ちゃんと理解していないと、後で「お金地獄」になりますので(汗)

 

国土交通省の「すまい給付金」ページの住宅ローン減税制度の概要

さてさて、

住宅ローン減税制度ですが、国土交通省の「すまい給付金」ページの住宅ローン減税制度の概要をご覧ください。

ポイントは、

1. 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間(13年間)、所得税から控除
2. 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除
3. 住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請
4. 令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を13年間に拡充

 

それでは解説していきますね。

 

解説:住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請

まずは3.から。

3. 住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請

これは、まさに、そのままの意味です!

どういうことかと言いますと「申請」しなければ使えない制度なのです。

家を建てた翌年に「確定申告」にて「申請」を行います。

そうなんです。

 

初回だけは会社がやってくれる「年末調整」ではダメなのです。
(翌年からは年末調整でOKです。)

2月16日~3月15日の間(土日を除く)に、自身で税務署に行って「申告」しなければなりません。

面倒な場合は、税理士さんにお願いしましょう!

 

住宅ローン控除のための確定申告については、フラット35のページがわかりやすいです。

必要な書類は、

・確定申告書(A)
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・本人確認書類(aまたはb)の写し
・建物・土地の登記事項証明書
・建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
・源泉徴収票
・住宅ローンの残高を証明する「残高証明書」
・(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合)認定通知書の写し

です。

建物・土地の謄本を法務局に取りにいったり、住民票を市役所に取りにいったりする必要もあります。
あとの書類は、自然と揃います。

 

解説:毎年の住宅ローン残高の1%を10年間(13年間)、所得税から控除

解説:所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除

1. 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間(13年間)、所得税から控除
2. 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除

あらためまして、住宅ローン控除とは、

・所得が3,000万円以下
・返済期間が10年以上の住宅ローン

等の要件を満たしている場合、
10年間(13年間)、ローン残高(年末)の1%に当たる税金が還ってくる制度です。
(令和元年10月~令和2年12月に居住開始した場合は13年間です。)
(4. 令和元年10月の消費税率引上げにあわせて控除期間を13年間に拡充 の部分です。)

わかりやすく言えば、年末にローン残高が2,500万円の場合、1%の25万円が「還ってくる」のですね。

これは大きいです!

 

マニアックに知りたい方は国税庁のページをご参照ください。

 

解説:所得税の減税と住民税の減税の違い

ところで「還ってくる」ってどういう意味なのでしょうか?

ここでご自身の「給与明細」を見てみましょう!
または、昨年の「源泉徴収票」を見てみましょう!

「所得税」(源泉税)と記載されている金額が重要です。
「税金引かれると手取りがさぁ・・・」という、引かれている金額のうち所得税(源泉税)の部分です。

 

先ほどのローン残高が2,500万円の場合で考えてみます。

引かれている所得税(源泉税)が年間25万円以上ある場合は、この支払った所得税から1%の25万円が「還ってくる」のです!

「還ってくる」というのは、具体的に言えば、あなたの指定口座に1%の25万円が振り込まれます!

通帳残高がいきなり増えますので、おぉっ!!という感動があります。

 

では、所得税(源泉税)が年間25万円未満の場合はどうでしょうか?

差額の金額が「住民税」から引かれます。

 

ここで雑学ですが、例えば2019年1月~12月の給与に対して、

所得税(源泉税)は、2019年の間の給与から「仮計算」で引かれて、年末調整で確定させます。
だいたい少し多めになる計算式になっていますので、年末調整で少し戻ってくることが多いですね。

それに対して、住民税は年末調整で税額が確定された後、2020年6月~2021年5月にかけて、給与から特別徴収されて支払います。
住民税も給与から天引きされますので、減ってもわかりにくいのですよね。
「なんか、手取りが増えたような気がする」といった感じです。
そのため「還ってくる」実感がないので注意が必要です。

 

ということで、

・所得税から目に見えて還ってくる「ボーナス」的なお金

・住民税から「わかりにくい形」で還ってくるお金

の2つの仕組みで、住宅ローン減税が行われるのです。

 

ちなみに「減税」ですので、もらえる訳ではなく、自身が払った税金が「還ってくる」だけです。
そのため、自身が払っている所得税と住民税の合計が、ローン残高の1%より少なければ、所得税と住民税の合計が「還ってくる」上限となります。

 

解説:戻ってきた税金の有効活用

さて、ここからが本題です!!

この「還ってきた」お金を、臨時所得のように使ったり、なんとなく手取りが増えたので普通に使ったりしていたら、あっという間にお金はなくなってしまいます。

なぜなら、家を維持していくためには、メンテナンスの「お金が必要」だからです

家のメンテナンス、ちゃんと考えよう!とっても大切です。

 

毎年、年末残高×1%で「還ってくる」お金が簡単に計算できます。

この「還ってくる」お金は「なかったもの」として、別口座に貯金していきましょう!

・所得税から「ボーナス」のように還ってきたお金は全額
・不足額は、住民税が引かれて増えた手取りから毎月少しずつ

もともと税金で支払わなければならないお金が「還ってきた」だけです。

そもそも「なかった」お金です。

自意識を持って、確実に貯金していくことが大切です。

 

また、住宅ローン減税は「わずか10年間(13年間)のみ」です。

この「還ってきた」お金を頼みにしていると、11年目から家計が大変なことになってきます。

 

家のメンテナンスには、少なくとも10年単位で「100万円以上」が必要です。

10年間、住宅ローン減税で「還ってきた」お金を貯金すると、10年目20年目のメンテナンス費が貯まります!

10年経過して、メンテナンスがあまり必要なければ、余ったお金は住宅ローンの繰上げ返済に回しましょう。

毎月の余裕が生まれてきます。

 

ということで、

これから家を建てる皆さんも、既に家を建てて10年以内の皆さんも、

住宅ローン減税は、「減税」であって「ボーナス」ではありません。

計画的にしっかり貯めて、10年後を笑顔で迎えましょう!

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 




 

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