家を建てたい人のための情報マガジン

公道?私道?分譲住宅地の「共有地」について、ちゃんと考えよう!




岡山県にあるミナモト建築工房さんの

「中庭のあるまち」平田107

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中庭を中心にした住宅団地に、様々な世代の家族が、
それぞれのライフスタイルに合わせて暮らす街。
積極的につながるのではなく、中庭を共有することで自然とつながることができ、
心地よい距離感を保てるコミュニティです。
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72.73坪もの「大きな庭」を、10世帯の住民で共有するスタイル。
駐車場は外側の公道に面するようにし、家の裏側を中庭に面するようにし、ウッドデッキと自邸の庭(ゆとりスペース)を設けられています。

もちろん、お気に入りのシンボルツリー等も植えられます。

中庭+各家庭の庭部分で、開放感はすごいです!

小さなまちづくり、とても感動しました!

 

と、ここで気になることが2つ。

入居後積立金(維持管理費) 目安:月々3,000円/家族

維持管理費は、素敵な住宅団地ほど、きちんと行っていますね。
街の景観の維持コストを分担することは重要ですし、住民の意識も高まります。

特記事項 ・共有地の取り扱いは持ち分共有の所有とします。

すなわち、共有の中庭を10世帯で共同で購入して登記されているのですね。
持ち分共有所有ということは、後々どうなるのでしょう???

ということで、今回は分譲住宅等にある「共有」の土地の取り扱いについて書いてみたいと思います!

※専門家ではありませんので、間違いがありましたら、バンバンご指摘をお願いしますm(_ _)m

 

多くの分譲住宅等の敷地内にある道路の多くは「私道」です。

「公道」は国や都道府県や市町村が所有していますが、「私道」は個人が所有しています。
分譲住宅等の「私道」の多くは、そこに住む住民で「共有」で登記されています。

どこからどこまでが○○さんの土地(道)という訳ではなく、この道路は住民全員の土地(道)ということになります。

土地を所有しているということは、当然ながら毎年「固定資産税」が発生します。
ただし、私道が「公共の用に供する道路」であれば、非課税になります。

とはいうものの、この「公共の用に供する道路」というのが難しいのですよね。

「私道」が、いわゆる袋小路になっていたり、コの字型になっていたりすると、そこに住む住民のみが使うことになりますので、原則として、公共の用とはなりません。(宅地扱いとなります。)

「私道」が通り抜けとなっており、いつも不特定多数の人が通り抜けている状況でなければなりません。

つまり、私道の固定資産税は、住民みんなで均等に分けて払いましょう!ということになります。

 

この「私道」が「公衆用道路」として地目変更が認められれば、
固定資産税が非課税となります。

このあたりは、分譲される不動産会社が、どのようにしているのか?ということにもなりますので、購入時には、必ず、ご確認ください。

 

【公共の用に供する道路】

通り抜け私道

起終点が公道に接している
幅員が1.8m以上である
不特定多数の人に利用されていることが必要

行止り私道、コの字型私道

2軒以上の家屋に利用されている
幅員が4m以上である
利用制限されずに不特定多数の人に利用されている

セットバック部分

幅員4mに満たない公道に面している土地のセットバック部分

 

「私道」の7つのデメリット

ちなみに、この「私道」ですが、いくつかデメリットを知っておく必要があります。
正確にいえば、デメリットとならないように対策をしておく必要があります。

 

1.「私道」の維持管理は、共有持ち分の住民が行わなければならない。

道路がひび割れたり、陥没したり、アスファルトが古くなった場合には、住民負担で行わなければなりません。
その際は、持ち分のある全員の賛同が必要になります。
道路の補修って、けっこう高いのですよね・・・。

2.相続対策や売却時の対策が必要!

袋小路の行き止まり「私道」の場合、相続税の土地評価額は、通常の土地の評価の30%となります。
「公共の用に供する道路」の場合は、相続税における土地の評価額はゼロとなります。
また、きちんと「私道」を相続しておかなければ、「私道」の権利がなくなります(通ることもできなくなる)ので近隣住民とトラブルになる可能性があります。

3.「私道」の持ち分を買っているため、自分の道路と思っている人がいる。

わかりやすい例では、「私道」を駐車場として車を停めている状況です。
他の住民の通行の邪魔になりますので、基本的にダメなのですが、声の大きな人が強い場合があります。
警察に通報しても、「私道」内ですのでレッカー移動等は行ってもらえません。
(ただし、24時間放置されていた場合は、青空駐車として「警告」は出してもらえます。)

4.「位置指定道路」の許可を得ているのか?

「私道」が「位置指定道路」の許可を受けていなければ、道路としてみなされないため、家の建て替えを行うことはできません。

5.「通行掘削承諾」を得ているのか?

通行掘削承諾とは、私道内の歩行や、車が通行する権利と、私道内を掘削してもよい権利のことをいいます。
掘る?と思われるかもしれませんが、道路の下には各家庭に繋がっている、ガス管や上下水道管が埋まっています。
工事を行う際には、持ち分を持つ全員の承諾書面が必要となります。
「通行掘削承諾」を得ていない「私道」の場合、新たに家を建てようとしても、持ち分の一人でも承諾しなければ、私道を掘ることができなくなってしまいます。

6.住民が家を建て替える場合に、「私道」工事の費用負担を求められることがある。

住宅建築のために「私道」を掘る必要がある場合、持ち分者で費用負担を折半にすることを「私道負担」といいます。
多くは新築でスタートしますので大丈夫ですが、将来的に「私道負担」が発生することは考えておかなければなりません。

7土地を売却するときの管理責任

私道部分を所有していることを知らない場合、建物の敷地部分だけを売買してしまうケースがあるそうです。
この場合、「私道」の所有権が残ってしまいます。
「私道」単体での売買はかなり困難ですので、「私道」の管理責任(費用負担)や固定資産税だけが残る場合もあります。

 

ということで「私道」の取り扱いに関しては、
購入前にしっかりと不動産屋さんに確認しましょうね!

 

ちなみにですが、
HOUSEリサーチスタッフの分譲地のケースでは、
分譲時にコの字型の「私道」を移譲して「公道」にしてしまったそうです。
これで、工事費は必要ありませんし、近隣トラブル、相続トラブルもなくなります。
分譲された不動産会社、将来のリスクやトラブル回避としてお見事です!
(各市町村で一定の審査基準があるそうで、認められない場合も少なくないのだとか。袋小路の行き止まり道路は難しいようです。)

 

最後に、話は戻って「中庭のあるまち」の「共有中庭」について。

すべて想像ですが、

・毎年、固定資産税の支払いが必要、「私道」ではないので免除や減額はなし。

・地目はもしかすると「宅地」?

・分筆されているのでしょうが、家の敷地と隣接しているので固定資産税は1/6?

・売却時には、共有中庭の売却も行う必要あり。

という状況かなと思います。

どのような対策をされているのでしょう?
ご存知の方は教えてください!

 

HOUSEリサーチ運営事業部
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。

 

HOUSEリサーチ 新築住宅情報センター

※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。

 




 

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