「木の香りがする!」
「木の香りが好き!」
私たち日本人の大半の方が、この気持ちを持っているのではないかと思います。
ところで「木の香り」っていったい何なのでしょう?
実は、「木の香り」というのは、
スギ、ヒノキなどの「針葉樹」の香りなのです。
ナラ、メープルなどの「広葉樹」にはほとんど香りはありません、とのこと。
(↓ 針葉樹と広葉樹の違いはこちら)
色だけで決めちゃダメ!フローリング材について調べてみました!(針葉樹と広葉樹、無垢と合材)
もう、びっくりです!!
木の香りは、木に含まれる精油成分によるものです。
この精油成分のことを「フィトンチッド(phytoncide)」と呼びます。
wikipediaによると
「フィトンチッド」とは、微生物の活動を抑制する作用をもつ、樹木などが発散する化学物質のこと。
植物が傷つけられた際に放出し、殺菌力を持つ揮発性物質のことを指します。
「森林浴って気持ちいい~~っ!!」
って思いますが、実は森林浴って、この殺菌成分に接することで健康を維持する方法なのです。
ちなみに似たような物質を指す言葉に「ファイトアレキシン」というものがありますが、これについては上記wikipediaをご覧ください。
簡単にまとめますすと、
「フィトンチッド」・・・いつでも出ている
「ファイトアレキシン」・・・傷つけられたときのみ出ている
「フィトンチッド」・・・揮発性が高い
「ファイトアレキシン」・・・揮発性が低い
となります。
木の香りがする、ということは、成分の揮発性が高いということでもあるわけですね。
木に含まれる精油成分ですが、一つの木に十種類以上あるのが普通と言われています。
組み合わせによって、スギの香りになったり、ヒノキの香りになったりするのですね。
ちなみに、精油成分を見てみると、
スギ・・・δ-カジネン、β-オイデスモール、クリプトメリオール、クリプトメリジオール
ヒノキ・・・α-ピネン、α-カジノール、ヒノキチオール、ボルネオール、γ-カジネン
この結果、
スギには、抗菌作用や防腐作用
ヒノキには、リラックス効果や抗菌作用やダニに対する繁殖抑制効果
があることが知られています。
一般的に、木の効果として、
抗菌・・・ヒノキ、ヒバ、サワラ、ネズコ、タイヒ、ユーカリ
防蟻・・・ヒノキ、ヒバ、サワラ、コウヤマキ、イヌマキ、センダン
防ダニ・・・ヒノキ、ヒバ、サワラ、スギ、アカマツ、ベイヒバ、ベイスギ
防虫・・・クス、センダン、ユーカリ
等があると言われています。
精油成分について知りたい方は、こちらのサイトをご参考にしてくださいね。
ハーブ等のアロマテラピーも精油成分によるものですね。
余談ではあるのですが、
実は、精油成分はある意味「化学物質」でもあるわけです。
揮発性が高いということは、私たちの体内に入る可能性も高いという訳でもあります。
つまり、自然素材の木の家であっても、シックハウスになってしまう人もいる、ということなのですね。
厚生労働省の
室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き
によりますと、
代表的天然成分で木質建材には必ず含まれる、テルペン(3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン)が、
「室内空気中に現れる可能性のある各種VOCのうち、同定すべき物質として、各化学分類を代表する化合物のリスト」に入っています。
海外、特にヨーロッパ地方ではヒノキの香りを汚染物質として捉えている地域もあるとのことです。
スギやヒノキの「木の香り」が好まれるのは、日本人の感性によるものでもあるということなのですね。
うーん、難しいです!
と、最後にマイナスな情報を書きましたが、個人的に「木の香り」は大好きです!
あぁ、森林浴に行きたい!!
いっしー(家の素人 勉強中)
家を建ててようやく家の基本中の基本を知る。
建築家の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
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