素敵な家を建てたい!
でも、予算は抑えたい!
家づくりって、こんな矛盾を抱えながら進めていきます。
家は、一生に一度といわれる、超高額な買い物。
だからこそ、限られた予算の中で、最高の家を建てたいですよね!
まずは、家の値段についての予備知識は、こちらのコラムをご覧ください。
「100万円アップなんて月々わずか3,000円ですよ!」それは天使の声なの?悪魔の声なの?
様々な方の家ブログや、instagramの家アカウントが増えています。
予算調整や値引きに関する体験談も多数、掲載されていますよね。
目次
「金額調整」と「値引き」は違うもの
ただ、お金の調整には、大きく2種類あることを覚えておいてください。
「金額調整」と「値引き」
です。
今回のコラムでは、金額調整と値引きの違いについて解説していきますね。
1.金額調整
家を建てる際には、家族の生活スタイルや理想をヒアリングしてもらうことから始まります。
・このくらいの広さのリビングが欲しい!
・子ども部屋はこうしたい!
・キッチンはこだわったものにしたい!
・家事動線はこうしたい!
・収納はたくさんあるといいな!
・書斎は欲しいよね!
などなど、まずは予算を考えずに、理想のヒアリングを行っていきます。
その理想を全部叶えた場合の見積もりを見て
えっ???こんなに・・・
というところからスタートです。
予算内に抑えるために、こだわりポイントに優先順位をつけていきます。
・リビングは面積を抑えても、このような間取りにすれば余裕を持って生活できますよ
・憧れのメーカーのキッチンはあきらめて、選択肢の中から、このあたりだと理想に使いのではないでしょうか?
・収納はあればあるほどモノが増えますので、このくらいで抑えましょう
・傾斜天井は予算的には難しいので、その費用を他の部分に回しましょう
・書斎はこのデッドスペースを活用すれば、設置できますよ
・子ども部屋は、各部屋は少し狭くして2室の壁をなくし、お子さんが成長した際に壁で区切りましょう!
・屋根材は、瓦はあきらめましょう、メンテナンスは10年毎にこれくらいなので、トータル的に経済的ですよ
・洗面台は2ボウルにしたいところですが、今回はあきらめましょう
・家の形をスクエア型にすると、外壁材など最小限のコストになりますよ
といったアドバイスを受けながら、優先順位の低い部分の予算を削って、優先順位の高い部分に使っていきます。
これが「金額調整」です。
「商品名」のついた「企画住宅」の場合は、その選択肢の中で壁紙や床材、窓などを選んでいくとコストアップとなりません。
このように「金額調整」というのは
・あきらめる(身の丈で考える)
・置き換える(理想に近くて値段が安いものを選択する)
・アイデアでカバーする(創意工夫)
という方法です。
大切なお金を、適切に使うことで、理想に近い家を創っていく作業です。
あなたも、住宅会社も、建築に関わる各社も、みんながハッピーになる方法です。
2.値引き
家ブログや、instagramの家アカウントを見ていて
「3社に見積もり競争させてます!」
「○○社は300万円の値引き、△△社は200万円の値引きでした!」
「決算前なので、さらに100万円値引きしてくれました!」
などといったコメントを見かけます。
個人的には、なんだかなぁ・・・と感じてしまいます。
値引きをしてくれることは、とても嬉しいことなのですが
値引き = 相手の財布からお金を奪う
という行為です。
お金を奪うというのは言い過ぎですが、相手の利益を少なくする行為です。
つまり、相手が不幸になれば、自分は幸せになれる、という論理です。
大雑把な計算ですが、例えば、粗利益率が30%だとします。
つまり、1,000万円の売上で、粗利益が300万円ということになります。
あなたが交渉の末、300万円の値引きに成功した場合
あなたの支払いは300万円少なくなりますが
住宅会社は1,000万円の売上をなくしたことと等しい訳ですね。
300万円の粗利益がなくなるって、結構、とんでもないことなのです。
事務社員さん1人分ぐらいの人件費になりますよね。
「値引き」ができる理由
それでは、なぜ、値引きをしてくれるのか?
ということを考えなければなりません。
値引きをするには、値引きができる理由がある、ということです。
値引きができる理由としては、次のようなものが考えられます
・あなたが、値引き分の損失をカバーできるほどの、高額な家を建ててくれる
・値引き販売を前提として、最初から見積もりに上乗せされている
・住宅会社が、自分の身を削って、あなたのために尽くしてくれている
・取引先に支払う金額を減額する
というものです。
あなたが、値引き分の損失をカバーできるほどの、高額な家を建ててくれる
→ これが本来の「値引き」の方法です。相手方は一定の利益を確保できます。
値引き販売を前提として、最初から見積もりに上乗せされている
→ 良い方法ではありませんが、これが多いですね。値引き交渉をしなければ、あなたが本来より高額なお金を支払わなければなりません。
住宅会社が、自分の身を削って、あなたのために尽くしてくれている
→ 人情味のある社長さんがいる住宅会社のケースでしょうか。住宅会社が損をする料金では、やる気が削がれますよね。
取引先に支払う金額を減額する
→ その結果、取引先も損をすれば、家の質って良くなりませんよね。
つまり、
あなたか、住宅会社か、建築に関わる各社か、誰かがアンハッピーになる方法です。
余談ですが、こちらのコラムにも書いている通り、
家にかかる見えない金額の、ちょっと裏話的な問題を解決したい!
相談料無料、紹介料無料の住宅会社の「紹介センター」の仕組みなんかも知っておくと良いですね。
「紹介センター」経由であなたが家の契約をした場合は、住宅会社から、紹介料として一定金額が「紹介センター」に支払われます。(詳細はコラム参照)
つまり、「紹介センター」で紹介してもらえる住宅会社に、あなたが直接行けば紹介料が発生しませんので、住宅会社に負担をかけずに値引きをしてもらえる可能性があるということです。
紹介料の半額ぐらいの値引きでしたら、あなたも住宅会社も、共にハッピーになれますよね。
最近は値引きをしない住宅会社も増えてきています。
きちんとした見積もりを出すからこそ、値引きは発生しないということですね。
値引きではなく、金額調整をベースとして考えた方が、みんなハッピーとなります。
しっかり予算を考えて、しっかり住宅会社に相談して、良い家を建てていきましょう!
「契約」時の見積もりが安くなったとしても、最終金額は後々変わってきますので、こちらのコラムも参考にしてくださいね。
あれ?いつの間にこんな金額に・・・解説:契約後にどんどん上がる住宅価格の謎
いっしー
家を建てることで、様々な家の基本知識を学ぶ。
数多くの注文住宅を内見し、住宅系の書籍は大半を読破。
宅建士まで受験。
住宅会社・設計事務所の皆さまにご教授いただきながら、家について楽しく学んでいます。
※プロの皆さま、このコラムは家の素人が、建築家の皆さまに教えていただいたり、書籍等で勉強したりした内容を記載しております。
間違いや修正事項がございましたら、ぜひ、ご指摘いただければと思います。
住宅会社・設計事務所の皆さま、「HOUSEリサーチ」で良縁をお繋ぎいたします!